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[社説]外国人観光客1000万人時代の成果と課題

登録:2012-11-19 00:16 修正:2012-11-19 00:23

 今年我が国を訪れる外国人観光客がまもなく1000万人を越えるという。2002年の500万人台の観光客が10年で倍増したわけだ。量的な飛躍的成長であり、韓国が国際的な観光目的地隊列に合流することになったことを意味する。合わせて観光産業の質的成長とそのための基盤施設(インフラ)構築がいっそう重要な課題になった。

 我が国を訪れた観光客は10月末時点で950万人であり、月平均100万人に達する。年末までには1150万人程度と予想されるので、世界17位圏だ。ここ数年間の観光客増加率がシンガポールを抜いて首位を占めた一番の貢献者はKポップやドラマなどの韓流熱風だという。韓国が世界10位圏の輸出大国であるのに加え、政府と民間が観光客誘致のために多様な努力をした点も一役買った。地域的にはアジアからの観光客が急増し、中国人観光客は昨年の222万人であり年平均で20%以上増えている。今年は特に中国と日本の領土紛争で多くの中国人観光客が韓国に流れたという。

 景気低迷で観光客誘致のために多大な努力をしている日本が年間800万人台に留まっているのに比べれば快挙と言える。韓国文化観光研究院は、観光客1000万人訪問による生産誘発効果は22兆ウォンを越えるという。しかし3泊以下の短期滞留観光客が多く、ショッピング観光が新しいトレンドと言っても、ショッピングとソウル偏向度合いが極めて強い点は構造的にもろい。現代経済研究院の資料によれば、観光産業が国内総生産に占める比率は2000年の6.6%から昨年は5.2%へ、働き口の割合も6.7%から5.6%へむしろ減っている。世界で最も多くの観光客を誘致するフランスが国内総生産の9.3%、雇用の10.4%を占め、観光客数がわが国より少ない日本も国内総生産の6.7%、雇用の7.0%を観光産業で創出しいることと対照的だ。

 中国人観光客が巨大な波を形成しているものの、基盤施設とサービスはこれに追いつけずにいる。昨年の中国人海外旅行者数は前年より22%増の7025万人に達しており、観光需要は無尽蔵だ。低価格なダンピング観光と足りない宿泊施設、ショッピングを強要するぼったくり的な商売などの問題が続けば、一時の瞬間的な特需に終わりえる。付加価値を高めて観光客が再び訪れるよう質的な転換がなされなければならない。サービスと基盤施設の改善も重要だが最も大きな競争力は差別化であり韓国的なものが息づくようにしなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/561121.html 韓国語原文入力:2012/11/18 19:10
訳T.W(1155字)

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