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[社説] 南北ともに無謀な軍事緊張は避けるべきだ

登録:2012-10-22 22:12 修正:2012-10-23 09:53

 最近になって南北間の軍事緊張が急速に高まっている。 20日午前に臨津閣(イムジンガク)で脱北出者団体が実施することにしていた対北朝鮮ビラ散布が直接のきっかけだ。北の人民軍西部戦線司令部は19日‘公開警告状’を通じて“臨津閣とその周辺で少しでもビラ散布の動きが分かれば、すぐに西部戦線により警告なしに無慈悲な軍事的打撃が実行されるだろう”と威嚇した。これに対抗してキム・クァンジン国防部長官も同日、国政監査と翌日の中部戦線訪問を通じて強く対抗した。挑発すれば敵を完全に撃滅するとして前方部隊に最高水準の対備態勢をとるよう指示したのだ。直ちに武力衝突が起きないだろうかと心配になるほどのきわどい言い争いだ。

 今回の緊張は偶発的でも断片的でもないという点で心配が大きい。時期が大統領選挙の直前という点も緊張度を高める要素だ。韓国で大統領選挙を控えて北方境界線(NLL)をめぐる政治攻防がひろがっている時期に、イ・ミョンバク大統領は18日にペンニョン島を訪問し“NLLを命をかけて死守”、“挑発すれば百倍、千倍の報復”等の極めて強硬な発言をした。これに対し北の国防委員会は20日“朝鮮の西海(ソヘ)には北方境界線ではなくわが国が設定した海上軍事境界線だけが存在することになるだろう”と直ちに正面から応じた。‘臨津閣ビラ散布’が一触即発の衝突につながる可能性がいつにもまして大きいのだ。あまりに危機指数が高く、中国外交部スポークスマンまで“当事国が挑発的で急進的な行動は取らないことを期待する。韓半島の平和と安定のために南北が冷静さを守って自制しなければならない”という声明を出したほどだ。

 政府は北の挑発にはきっぱりと対応する態勢を整える必要がある。だがそれより先に挑発の火種をなくすことが重要だ。政府は臨津閣ビラ散布団体に消極的に自制要請だけしてすますのではなく、軍事的信頼措置構築の最小段階が相互誹謗の中止という点を考慮してビラ散布行為を積極的に遮断することを望む。脱北者団体も武力攻撃の口実を与える行動を中止しなければならない。 北も武力挑発はいかなる場合でも孤立と苦境を自ら招来するという点を忘れてはならないだろう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/556759.html 韓国語原文入力:2012/10/21 19:13
訳T.W(1036字)

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