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[社説]龍山惨事3年、収監者釈放して再発防止法成立を

原文入力:2012/01/17 20:14(1074字)
 20日は龍山惨事の3周年になる日だ。建物の屋上に立ち上がった真っ赤な炎と "人がいる" という叫び声が昨日のことのように耳元に生々しいほど事件の衝撃は脳裏に強く残っている。退去者5人と警察官1人を失った後になってから、対策を立てると騒がれたが、これまで変わったものはほとんどない。 とうとい命まで奪い取りながら撤去を急いだがソウル、漢江路(ハンガンノ)2街のナムイルダンの建物の一帯は依然として荒れたままだ。当時拘束された退去者8人は懲役4年~5年4ヶ月の重刑を宣告されたまま、冷たい監獄に入れられたまま3年目を迎えようとしている。

 政府は正月を控えて生活型犯罪の受刑者4000人に対する特別赦免を行ったが龍山惨事関連の拘束者は何の恩恵も受けることができなかった。 反人権政権、恥じ知らず政権と評されてしかたないだろう。
 龍山惨事は最初から最後まで政府の責任が大きい事件だ。借家人の権利をまともに保障しないまま生活基盤から追い出しておいて、これに対し抗議した退去民を事前の準備もまともにしないまま強引に鎮圧して、貴い生命を失わせたのがこの事件の実態だ。
 法律的に鑑みても火炎瓶を投げて警察官を死亡させたという判決の内容も論議の余地があるが、まともに準備もしないまま鎮圧を強行した警察の指揮部に法的責任はないのか依然として疑問だ。国家人権委が当時、警察指揮部に "何の措置も取らなければ法治主義に甚大な障害が発生する" として事実上の起訴を求めたことにも反応する措置がなかった。
 より一層あきれるのは当時無謀な鎮圧を指揮したキム・ソクキ ソウル警察庁長官を処罰するどころか、しばらくして日本の大阪総領事として栄転させたことだ。さらにはなはだしくは、最近では総選挙に出馬するとして10ヶ月で退職してきたというから任命権者や当局は全員厚顔な人ばかりだと舌打ちせざるをえない。
 惨事は依然として現在進行形だ。ソウルだけでも北阿峴洞(プッアヒョンドン)・上道(サンド)4洞・明洞(ミョンドン)など、あちこちでまだ地上げ屋と借家人の衝突が続いている。惨事以後、市民社会団体が作った強制退去禁止法案は国家と地方自治体の強制退去の予防と原住民の再定着権利の保障、退去過程の暴力行為の禁止などの内容を含んでいる。この法を通過させて収監中の龍山(ヨンサン)の退去者を一日も早く家族のもとに戻れるようにするのが与野党の政界と政府がしなければならない最小限の道理だ。

原文:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/515141.html 訳T.W