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「中国、ICBM発射台数で米国を追い越した…日本などでも数年間気球で偵察活動」

登録:2023-02-09 06:28 修正:2023-02-09 07:09
米戦略司令部「核弾頭・ミサイルは依然として米国が優勢」
米海軍がサウスカロライナ沖で5日、中国の偵察気球の残骸を回収する姿を撮った写真を7日公開した/AP・聯合ニュース

 中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射台数が米国を追い越したと、米軍当局が議会に報告したことが7日に分かった。

 同日付のウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米軍の核兵器運用部隊である戦略司令部のアンソニー・コットン司令官は先月26日、上下院軍事委員会に「中国が地上に配備した固定式および移動式ICBM発射台が、昨年の米国の発射台数を上回った」と報告した。

 しかし戦略司令部は、ICBMやこれに搭載する核弾頭の数においては依然として米国が優勢だと明らかにした。また、米国防総省関係者らは、中国のICBM格納庫は空いている場合が多いと説明した。米国は核弾頭を5千基以上保有しており、このうち1600基を実戦配備している。一方、中国は核弾頭400基を保有している。米国防総省は、中国が2035年にはこれを1500基に増やすものと予想している。

 ICBMは潜水艦、爆撃機とともに3大核兵器の運搬手段だ。米国防総省は、中国がICBMの格納庫300棟を建設しているとみている。米国防総省は、米国領土にICBMの地下格納庫が400棟あり、その他50棟は空いている状態だと明らかにした。核弾頭の数とともに全体的な核兵器投下手段も考慮すれば、米国の核武装の水準は中国を大きく上回っている。

 しかし最近、中国発の偵察気球がICBM格納庫150棟がある米国のモンタナ州空軍基地上空まで通過したことがわかり、共和党からはさらに強硬な声があがっている。マイク・ロジャース下院軍事委員長は「中国は米国と同等の(核武装)水準に速いスピードで近づいている」とし、「そうなるように放って置くわけにはいかない」と述べた。そして、ロシアとだけ結んだ新戦略兵器削減条約(New START)が核武装の強化を制限し、中国への対応を困難にしているとし、核兵器の現代化を急ぐべきだと主張した。

 一方、ワシントン・ポストは、中国が今回米国本土を横断した気球で偵察活動を行ったように、ここ数年間、日本、インド、ベトナム、台湾、フィリピンでも気球を用いて偵察を行ってきたと、匿名の米政府関係者たちの話として報じた。彼らは一部の気球は中国南部の海南島から発進し、中国空軍が一部関与していると説明した。米政府関係者たちは、気球が捉えられた場所が5大陸に達するほど、中国が気球を利用して広範囲な偵察プログラムを運用していると述べた。

 米海軍は3日前にサウスカロライナ州沖で撃墜された中国の偵察気球のうち、海上に落ちた破片はほとんど回収したとし、同日、写真を公開した。米軍は、残骸は連邦捜査局(FBI)で分析する予定だと明らかにした。ABC放送は米軍関係者の話として、同気球にはプロペラとかじも装着されていると報じた。別の関係者は、自爆装置もあるが、爆発物はまだ発見されていないと伝えた。米海軍は潜水士やレーダー、水中ドローンを動員して海底に沈んだ残骸も捜索している。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1078803.html韓国語原文入力:2023-02-08 14:28
訳H.J

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