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"世界一に執着…中国 高速鉄道 危険な疾走"

原文入力:2011/06/22 20:44(1699字)
パク・ミンヒ記者

時速300km 外国車両入れて時速350~380kmで運行
運行中の事故も隠蔽…‘北京~上海’開通控え警告

←中国、上海の虹橋高速鉄道センターに去る16日、北京-上海高速鉄道区間に投入されるホセホ(和諧)CRH380AとCRH380B(写真左側)列車が並んで停まっている。 上海/APニューシス

チョウイミン前鉄道部官僚 暴露

中国は今月末に開通する北京-上海高速鉄道の開通を控え沸きかえっている。中国経済の心臓部2ヶ所を4時間48分で走破する世界最長1318kmのこの高速鉄道は、中国高速成長のもう一つの象徴になろうとしている。開発期待感で周辺の住居価格が暴騰し、強力な競争者に出会った航空会社は航空券の割引販売に乗り出した。

だが、逆に中国高速鉄道の危険不感症に対する警告音もますます大きくなっている。中国が‘世界最高’に執着し、高速鉄道の速度を無理に高め、運行中の事故も隠してきたという事実までが前職政府高位官僚の暴露で明らかになった。

中国鉄道部のチョウイミン前科技司(局に該当)社長は21日<21世紀経済報道>とのインタビューで「鉄道部が外国から最高時速300kmの高速鉄道技術を持ってきて、時速350~380kmに無理に速度を上げて運行した」と明らかにした。

北京-上海高速鉄道に投入されるホセホCRH380車両について、中国は世界で最も速い高速鉄道と宣伝してきた。だが、チョウ前社長は「日本とドイツの高速鉄道車両も実験室では時速400kmで走行できるが実際に運行する時は安全余裕速度を残し時速300kmで運行している」とし「中国はこの車両を導入した後、安全余裕速度を減らし時速350kmの新型車両を作ったように宣伝しただけ」と話した。

ホセホCRH380列車の原形は日本の新幹線とドイツのICE3だ。チョウ前社長は「日本の川崎重工業とドイツのシーメンスは鉄道部と契約する時、この車両の最高時速は300kmと明示し、中国が自主的に350~380kmで運用し事故が起きれば彼らは責任を負わない」とし「中国は猛スピード運行による問題を解決する技術がなく、問題が発生すれば副作用は想像すら難しい」と話した。

チョウ前社長は中国高速鉄道の無理な速度嵩上げが中国高速鉄道の拡張を主導してきた劉志軍 前鉄道部長の‘世界一’強迫観念のためだと指摘した。彼は「劉志軍の頭の中には‘世界一’が深く根付いていた」として「劉志軍が時速380kmの高速列車を作れと要求し、わずか1~2年後に大量生産が始まった」と話した。

中国が世界で最も長い8548km区間で高速鉄道を運行するまで国策事業を総指揮した劉志軍 前鉄道部長は高速鉄道入札過程で大規模わいろを受け取った疑惑などにより去る2月末に解任され調査を受けている。
チョウ前社長はすでに開通した中国高速鉄道の無理な運行により地盤沈下と運行中事故が続けて起きたが、鉄道部がこれを隠してきたと批判した。彼によれば、北京-瀋陽高速鉄道で運行されているCRH5型列車が何度も故障を起こし、運行中に立ち止まり、太原-石家荘、北京-天津 高速鉄道では深刻な地盤沈下現象が現れた。2009年12月26日の開通当時、世界最高速と大々的に宣伝した武漢-広州 高速鉄道も何回も故障を起こした。去る1月23日、広州駅を出発する際に電力設備の故障で列車上部で爆発音を発し火花が散ったのが最も最近の事例だ。

北京-上海高速鉄道は今月末に開通する予定だが、当局は22日にも正確な初運行日を公開していない。ひとまず中国鉄道部は北京-上海高速鉄道が時速350kmで運行しても問題がないが、経済的な理由などで最高時速300kmで運行すると明らかにしている。

北京/パク・ミンヒ特派員 minggu@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/china/484027.html 訳J.S