原文入力:2010-10-26午前09:09:58(1658字)
‘緊急輸入制限’要件 拡大…個別国に発動権 付与
本会議通過すれば国際紛争… "韓国、批准同意 中断を"
チョン・ウンジュ記者
ヨーロッパ議会が去る6日、両者通商代表どうしが公式署名した韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定(FTA)を無力化した内容のセーフガード(緊急輸入制限措置)履行法案を該当常任委員会で通過させ、来月23日に本会議最終表決だけを残していることが確認された。このため当初10月末に予定された韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定に対するヨーロッパ議会の批准同意表決は12月14日に延期された。ヨーロッパ議会が協定文と衝突するセーフガード条項を一方的に通過させれば、両国は再協議に突入したり国際紛争にまきこまれることになる。
反面、わが政府は批准同意を受けようと既存協定を25日 国会に提出した。セーフガード条項と関連しては‘自由貿易協定の履行のための関税法の特例に関する法律’改正案を国会に提出し審議中だ。韓国とヨーロッパ連合が締結した協定文の貿易規制関連条項を見れば、‘協定により関税を引き下げたり撤廃した結果、国内産業が深刻な被害をこうむったり、そのような恐れがあればセーフガードを発動し関連商品に対する関税率追加引き下げを停止したり最恵国待遇(MFN)関税率まで引き上げることができる’と明示されている。ヨーロッパ連合執行委員会は、この協定文を土台に去る2月9日 セーフガード履行法を立案しヨーロッパ議会に提出した。しかし、昨年12月に発効された‘リスボン条約’により通商政策に対する共同決定権(co-decision)を持つことになったヨーロッパ議会が、韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定と正面から衝突するセーフガード修正案を用意し審議中だと確認された。
スペイン代表のパブロ サルバ ビデガイン議員が去る3月17日に発議した修正法案の内容を見れば、セーフガード発動要件を‘経済活動による被害’にまで大幅拡大した。例えば関税と直接関連のない韓国の非関税障壁や貿易政策のためにヨーロッパ産業が被害を受けても輸入制限ができるということだ。セーフガードが発動されれば協定にともなう関税撤廃または、引き下げ恩恵も共に停止する。
サルバ ビデガイン議員の立法案はその他にもヨーロッパ議会もセーフガード発動のための調査権限を持ち、ヨーロッパ連合27会員国が地域別に別途のセーフガード発動権限を行使できるという内容を含んでいる。特に自動車分野は韓国の農産品のように敏感な品目に分類し、完成車はもちろん自動車部品の輸入量も定期的にモニターするシステムを整えることにした。
こういうセーフガード履行修正法案は、去る6月23日 ヨーロッパ議会国際貿易委員会で賛成27人、反対0人、棄権1人で通過し、来月23日の本会議投票だけを残している。ヨーロッパ議会はこのセーフガード履行法案を処理した後、12月14日に韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定批准同意投票をすることにした。
イ・ヘヨン韓神大教授(国際関係学)は「我が国の国会が韓-ヨーロッパ連合協定文を批准同意して出て、ヨーロッパ議会がセーフガード条項を修正すれば、既存協定文は原点からまた扱われなければならない」とし「国会の批准同意手続きもヨーロッパ議会の決定が下される時まで中断しなければならない」と話した。外交通商部関係者は「ヨーロッパ議会の立法に関与することはできない」としつつも「ただしヨーロッパ議会のセーフガード立法案がFTA協定文と衝突すれば国際紛争に回付することができるという原則をすでにヨーロッパ連合執行委員会側に明らかにした」と話した。
チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr
原文: 訳J.S