中国製戦闘機「J-10CE」が2024年に実施された9回の模擬空中戦の演習で、戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」を相手に無敗を記録したと報じられた。
21日(現地時間)、中国中央テレビ(CCTV)は、演習の詳細や参加国は明らかにせず、J-10CEがユーロファイター・タイフーンとの模擬戦闘で、9回の交戦すべてに勝利したと報じた。米国の国防専門メディア「ミリタリー・ウォッチ・マガジン」(MWM)も、パキスタンとアラブの消息筋の話を引用し、同様の結果を報じた。
この模擬戦闘は、2024年1月にカタールで開かれた合同空中演習「ジルザル(Zilzal)-II」で実施されたものとされる。中東メディアなどによると、この演習では、パキスタン空軍とカタール空軍が協力し、それぞれが保有するJ-10Cとユーロファイターを用いて模擬空中戦を行い、作戦即応性を評価した。J-10CEはユーロファイターを相手に近接空中戦で5回、可視距離外の模擬戦闘で4回の勝利をおさめたという。
J-10CEは成都航空機設計研究所が開発した多目的戦闘機「J-10C」の輸出型モデルで、2020年ごろに商用化された。多数の標的を同時かつ迅速に探知・追跡するAESA(アクティブ電子走査アレイ)レーダーを搭載し、空対空ミサイルを運用できる。
中国以外にJ-10Cを保有する唯一の国であるパキスタンは、昨年5月にインドの戦闘機を撃墜したが、その中にはフランスの4.5世代戦闘機「ラファール」が含まれていたことを明らかにした。これは、中国の戦闘機が実戦で敵機を撃墜した初の事例であり、ラファールが戦闘で損失を受けた初の事例でもあった。パキスタンはこれに先立ち、J-10CEを36機導入し、このうち約20機が実戦配備されたとされる。
この戦闘機との模擬演習を行ったユーロファイター・タイフーンは、1980年代に英国、ドイツ、イタリア、スペインが共同開発した戦闘機。2007年以降、欧州の複数国で実戦配備されている。カタールのユーロファイター導入は、2017年にサウジアラビアがカタールの親イラン政策に反発して断行した封鎖措置以降、欧州との戦略的関係強化の必要性が浮上したことで行われたとされる。
今回の模擬戦闘の結果は、ユーロファイターの競争力が急激に低下していることを示すシグナルだと受け止められている。ミリタリー・ウォッチは「J-10Cがユーロファイターを相手に圧倒的な勝利をおさめたことは、予想できなかったことではない。中国と欧州の防衛産業の能力の格差はきわめて大きい」とし、「中国の第5世代戦闘機計画は米国のF-35と肩を並べるほどで、欧州は中国と米国の二つのトップランナーに対して、ますます送れをとっている」と分析した。
中国は自国の戦闘機を競争力のある代替案として宣伝しており、インドネシア、バングラデシュ、エジプトなどがJ-10CEの購入に強い関心を表明していると、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は報じた。軍事アナリストで元人民解放軍教官の宋忠平氏は、模擬戦闘の結果の公開がJ-10Cの輸出見通しにかなりの好材料になると述べた。