本文に移動

トランプ大統領「イランと15項目でほぼ合意」主張…実際は「視界ゼロ」

登録:2026-03-25 07:54 修正:2026-03-25 08:16
トランプ大統領「近い将来、直接会って対話」 
イラン「交渉していない」と強く否定
米国のドナルド・トランプ大統領が23日(現地時間)、米国ワシントン近郊のメリーランド州アンドルーズ統合基地に到着し、専用機エアフォースワンから降りている/AP・聯合ニュース

 イランに対する「最後通告の48時間」の終了を控え、突如として5日間攻撃を猶予した米国のドナルド・トランプ大統領が、「イランと15項目でほぼ合意した」と述べ終戦の可能性まで示唆し、戦争は重大な岐路に立った。イランは交渉の存在自体を強く否定しているが、さまざまな国が関与した間接接触の状況が次々と確認されている。ただし、両国が提示する交渉の前提条件は隔たりが大きく、実際の交渉につながるかどうかは依然として不透明との見方が出ている。英国のキア・スターマー首相も議会に出席し、米国・イラン戦争が「早期に終息するという誤った安心感に陥ってはならない」と述べた。

 イランの否定にもかかわらず、第三国を介した両国の水面下の接触が本格化したのは事実だとみられる。米国メディア「アクシオス」はこの日、エジプト、パキスタン、トルコなどが両国間でメッセージを伝達し、電話での接触を調整中で、その結果次第で対面会談の開催の可否が決まると報じた。ある消息筋は同メディアに「双方とも交渉を開始する準備ができており、特に原油価格と市場状況が交渉の原動力として作用している」と語った。

 イラン外務省報道官も「友好国を通じて、米国からの交渉要求のメッセージは受け取った」と表明し、最低限の間接的な意思疎通が行われていることを認めた。イラン当局者はニューヨーク・タイムズに、アッバス・アラグチ外相と米国のスティーブ・ウィトコフ特使との電話会談の事実を認めながらも、これは「戦争拡大阻止のための予備的な議論にすぎず、交渉とはみなせない」として一線を画した。昨年6月と2月末の2回にわたる交渉中に米国の攻撃を受けたイランは、「ホルムズ海峡と戦争の終了条件に関するイランの立場は変わらない」として、警戒を緩めていない。

 対面会談の可能性もある。トランプ大統領は記者団に「今日は電話で接触する可能性が高いが、近い将来、直接会って対話することになるだろう」と述べた。仲裁国は今週後半、パキスタンのイスラマバードまたはトルコで対面会談を進めるとみられる。

 しかし、実際の交渉につながる可能性については、懐疑的な見方が少なくない。CNNは、米国が15項目の要求案をパキスタン経由でイランに伝えたと報じつつも、「イランがどれか一つにでも合意したのかどうかは不明だ」と伝えた。一部の消息筋は、このうちの相当数が「イランが受け入れるのはほぼ不可能な水準」だと評した。このため、「ほぼ合意」に達したとするトランプ大統領の主張とは異なり、実際には、交渉のスタートラインさえ越えられずにいる状態だとの分析が出ている。ウォール・ストリート・ジャーナルも、アラブの仲裁国の間で「米国とイランが短期間で合意に達することは難しい」とする懐疑的な見方が広がっていると報じた。

 このような状況下でのトランプ大統領の楽観的な発言は、急騰する原油価格と金融市場の不安を沈静化しようとする意図だとみる分析が出ている。ブルームバーグ・エコノミクスのジェニファー・ウェルチ地政学首席アナリストはこの日、「米国が交渉を試みているのは事実だが、市場を安心させるために状況を誇張した可能性が最も高い」と指摘した。

 交渉の局面にあるにもかかわらず、米国の対イラン軍事準備はむしろ加速している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、第31海兵遠征部隊(MEU)所属の約2200人の兵士と上陸艦からなる戦力が、トランプ大統領が新たに設定した期限である27日までに米中央軍の管轄区域に入る予定で、派兵日程を3週間も繰り上げた第11海兵遠征部隊も加わっている。ニューヨーク・タイムズはこの日、米国防総省が18時間以内に投入可能な第82空輸師団の即応部隊(IRF)約3000人を投入し、イランのカーグ島を掌握する案を検討中だと報じた。米軍の爆撃で破壊されたカーグ島の飛行場を海兵隊がまず掌握して修復した後、空輸師団と物資を投入する具体的な作戦シナリオまで議論されている。米国が交渉で優位に立つためにも、軍事的圧力は緩めないとみられる。

 今回の米国とイラン間の水面下での交渉では、イランの友好国パキスタンが重要な仲介役を担っている。ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、パキスタン軍部の実力者であるアシル・ムニール陸軍参謀長がこの日、トランプ大統領と直接電話で会談し、仲裁に乗り出した。パキスタン首相とイランのマスード・ペゼシュキアン大統領の電話会談もこの日に行われた。エジプトなど地域内の国の仲裁も重要な変数となっている。CNNはこの日、複数の消息筋の話を引用し、「湾岸地域の同盟国が、イランの民間電力施設の攻撃の際、戦争拡大の危険性を強く警告して以降、米国の立場の変化があった」と報じた。最近、サウジアラビアのリヤドでは、エジプト、トルコ、サウジ、パキスタンの外相が緊急会合を行い、外交的な出口を模索したとする報道もあった。イスラエルの攻撃で、これまでイラン側の交渉パートナーだったイラン国家安全保障最高評議会のアリ・ラリジャニ事務局長が暗殺され、対話の相手を探すことが困難な状況下で、エジプト情報当局が強硬派のイラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)との直接の連絡チャンネルを構築することに成功し、休戦への信頼を築くための「5日間の交戦中断」案を提示したと報じられた。戦争拡大に対する同盟国の強い反対や、仲裁国が用意した具体的な仲裁案がホワイトハウスに伝えられたことで、トランプ大統領が「48時間以内に焦土化」という最後通告を撤回し、外交的アプローチに転じたとみる分析だ。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員、キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1250928.html韓国語原文入力:2026-03-24 23:02
訳M.S

関連記事