米通商代表部(USTR)は韓国政府のデジタル規制法案推進に反発し、今週予定されていた韓米自由貿易協定(FTA)共同委員会の年次会議を急きょ取り消した。米ニュースメディア「ポリティコ」が報じた。
「ポリティコ」は関係者3人の話として、「18日(現地時間)に予定されていた韓米共同委員会の非公開の年次会議は開かれなくなった」とし、「韓国が推進するデジタル政策のためだ。トランプ政権はこれを差別とみている」と報道した。同委員会は2012年に発効した韓米FTAによって設置された二国間協議体で、10月の韓米首脳会談での貿易合意以来初めて開かれる予定だった。ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は12日に開かれた対外経済長官会議で、「近いうちに韓米FTA共同委員会の開催を推進する計画だ」とし、「非関税分野をめぐる合意の細部履行計画を、国益に最も資する方向で協議する」と述べた。
匿名を求めたある関係者は「ポリティコ」に「米政府は韓国がデジタル関連の約束を遵守していないと考えている」と言及した。また別の関係者は、デジタル政策に対する「互いに異なる見解と意見」のために会議が年初に延期されたとしたうえで、「単一の会議でこのような違いを解決するのは難しいという点を両側が認めた結果」だと説明した。
韓米両国の通商と安全保障分野の合意事項を文書化したジョイント・ファクトシートには「韓米両国はデジタルサービスに関する法律および政策、特にネット使用料とオンラインプラットフォーム規制に関し、米国企業が差別を受けないようにする」という文言がある。
この文言は、米国のビッグテック企業の長年の要請事項が反映された結果とみられる。韓国の公正取引委員会と国会は、文在寅(ムン・ジェイン)政権当時から、オンラインプラットフォーム企業の自社優遇(自社のプラットフォームで自社商品を有利に扱う)▽抱き合わせ販売(プラットフォームサービスに他の商品やサービスを組み合わせること)▽マルチホーミング(入店企業や消費者の他社プラットフォーム利用)制限などを「反競争行為」と規定するオンラインプラットフォーム関連法の制定を進めてきたが、規制対象に含まれることを懸念した米国のビッグテック企業は反対の意思を表明してきた。USTRはオンラインプラットフォーム関連法などを「非関税障壁」と主張してきた。米政府はファクトシートの文言を基に、韓国政府の立法推進をけん制している。韓国はこのような立法が「米国企業を差別するのではない」という立場を示してきたという。
USTRのジェイミソン・グリア代表は昨秋、韓国との貿易交渉当時、韓国が規制を撤回しなければ新たな関税を触発しうる「貿易法第301条」の調査に着手する可能性があると警告した。16日には米下院の法制司法委員会で「反米反独占:外国政府の米国企業標的化戦略」というテーマで聴聞会が開かれた。
今回の会議取り消しが「米国企業」であるクーパンに対する韓国政府の圧力のためだという一部の解釈に関して、事案に詳しい関係者は19日、ハンギョレに「FTA共同委を延期することにした決定は、最近のクーパンの情報流出事件とは関係ない」と述べた。