ドナルド・トランプ政権が朝米首脳会談のための準備作業を進めており、北朝鮮で米国を代表する平壌(ピョンヤン)駐在のスウェーデン大使も最近ワシントンを訪問して関連協議を行ったという。
トランプ政権は内外の専門家たちを動員して、北朝鮮との対話を再び始める案について密かに議論し準備している。米国オンラインメディアの「アクシオス」が27日、米高官の話を引用して報じた。同メディアによると、トランプ大統領の優先順位リストにおいて、北朝鮮は低い位置にあり、北朝鮮との対話が差し迫っているわけではないが、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との直接対面会談を望んでいることが明らかなため、国家安保チームがシナリオを用意しているという。
同高官は「われわれは現在、北朝鮮がどの地点にいるのかを理解するために機関を招集している」とし、「この4年間、多くのことが変わっており、われわれは関与を含め可能なアプローチを評価し、診断し、(それについて)話している」と述べた。ある元高官は、「政府関係者らはたとえ金正恩委員長からの『恋文一通』でもトランプ大統領の関心を引き、その後直ちに(対話に向けた動きが)始まる可能性があると認識しているため、『初期計画』を練っている」と述べた。
北朝鮮で米国を代表する平壌駐在スウェーデン大使も先週ワシントンを訪問し、米政府関係者および専門家らと協議したと、同メディアは報道した。ある消息筋によると、スウェーデン大使の訪問は、北朝鮮との関与に対するワシントンの温度がどの程度なのかを主に把握するためのものだという。
国務省と国家安保会議関係者たちも、北朝鮮と関連して専門家たちと数回の円卓討論を行った。この密室討論で取り上げられた案件の一つは、「もし対話が始まれば、北朝鮮の交渉担当者は誰になるのか」ということだった。第1次トランプ政権当時に朝米首脳会談に関与した北朝鮮高官の大半は、粛清されるか再教育を受けている。「スティムソンセンター」の韓国プログラム局長であるジェニー・タウン氏は「北朝鮮は米国との外交のための新しい特使を任命していないようだ」とし、「彼らは肯定的なことは言わないが、最近は交渉にそれほど否定的ではないようだ」と語った。
北朝鮮が関与に積極的な姿勢を見せるかどうかは、対話の性格にかかっていると、元高官は述べた。核保有国としての北朝鮮の地位は北朝鮮憲法に明示されており、金正恩委員長は過去の対話のテーマだった非核化には関心がないという。しかし、対話が北朝鮮を核保有国と認める軍縮であれば、「彼らは一日中そのような対話を続けるだろう」と元高官らは話した。
「アクシオス」の分析では、北朝鮮の核能力の進展とより強力になった外交的立場を考えると、トランプ大統領も第1次トランプ政権当時のように金委員長に影響力を発揮するのが難しいと分かるだろう、とのことだ。第1次トランプ政権当時は、北朝鮮に対する中国の圧力が決定的な役割を果たしたが、現在、中国はトランプ大統領のために金委員長に圧力を加えることに関心がないことは明らかだからだ。北朝鮮はまた、ウクライナ戦争に派兵するなど、ロシアとの関係を深めてきた。
同高官は、北朝鮮の核能力の進展に対するバイデン政権の責任を問い、「我々は現在、はるかに悪い状況にある」と診断したと、「アクシオス」は報じた。