米国のドナルド・トランプ大統領は連邦政府の経費を減らすために、米軍の海外戦闘司令部のリストラを推進すると報じられた。ジョー・バイデン前政権のもとで在日米軍司令部と自衛隊間の軍事連携の強化を推進してきた日本政府は困惑している。
米国CNNは19日(現地時間)、米国防総省の当局者が作成した報告書を入手し、「トランプ政権が連邦政府の縮小を推進する案の一つとして、米軍高官を大幅に削減することを検討している」と報じた。
CNNによると、米国防総省の計画案には、米軍の戦闘司令部の統合に加え、在日米軍強化の中止などが含まれている。具体的には、米軍欧州司令部とアフリカ司令部をドイツ・シュトゥットガルトに置く方式で統合する計画が含まれている。また、アメリカ本土についても、カナダとメキシコを担当する北部司令部と中南米を担当する南部司令部を一つにまとめ、経費を軽減する案が加えられた。
今回の報告書は、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化省(DOGE)が連邦政府の経費削減推進に対応するために作成された。今回の計画が実施される場合、今後5年間で3億3000ドル(約490億円)の予算を節減できると期待される。現在の米軍の年間予算は8000億ドル(約119兆円)を超えるといわれている。
米国防総省の予算節減のためのもう一つの案として議論されているのは、ジョー・バイデン前大統領が推進した在日米軍強化計画を中止することだ。トランプ政権は、前政権の在日米軍強化計画を中止すれば、11億ドル(約1600億円)に達する人材と指揮・統制システムの強化にかかる費用を減らせるとみている。
トランプ政権の方針に驚いたのは日本だ。日本政府はバイデン前大統領の在任中、日米軍事協力強化のために、陸海空自衛隊が一体となって動く統合作戦司令部を創設することにした。在日米軍側はこの組織に対応する統合軍司令部を計画した。軍事協力強化のために、東京郊外の横田基地にあった在日米軍司令部を、都心にある六本木の「赤坂プレスセンター」に移転する案が議論されているとする報道もなされた。
しかし、トランプ政権が経費削減を理由に、同盟国と推進した安全保障政策を突然変える可能性が提起された。この日、日本経済新聞は「バイデン前政権下で米軍は日本の自衛隊との指揮・統制の連携を強化する計画を立てた。在日米軍司令部は再編し『統合軍司令部』が発足する予定だが、見直す可能性がある」としたうえで、「実際に中止となれば、インド太平洋地域の紛争抑止に懸念が生じる」と懸念を示した。