韓国系の京都国際高校が日本の全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)で優勝したことに対し、日本の一部で同校の「韓国語の校歌」を批判する嫌韓世論が広がったことを受け、京都府知事が自制を求めた。
浜田聡参議院議員が優勝当日の23日にユーチューブに投稿した動画によると、浜田議員は「京都国際高校の校歌に日本海の韓国語名称である東海が入っていたことに問題がある」とし、学校認可の取り消し又は校歌の変更が必要という趣旨の主張を展開した。
京都国際高校が甲子園で優勝した後、「東海(トンヘ・NHKで流れた日本語訳では東の海)を渡りし/大和の地は/偉大な祖先/古の夢の場所」という歌詞が含まれた韓国語の校歌を歌い、この場面がNHKを通じて日本全域に生中継されたことを問題視したのだ。甲子園の優勝チームは試合が終わった後、ホームプレートの前に集まって校歌を歌うのが伝統だ。浜田議員は同日、X(旧ツイッター)にも「この学校の認可を継続すべきか」として意見を求める投稿をした。
日本の保守的なネットユーザーも、ソーシャルメディアを通じて、韓国語の校歌に反感を露にした。試合直後、X(旧ツイッター)には「日本の100年の歴史ある甲子園に韓国語の校歌が流れるのが本当に嫌。日本の文化に対する侮辱」といった敵対的反応の投稿が相次いだ。
ある日本のネットユーザーは「反日プロパガンダを校歌に盛り込んだのだから、物議を醸すのは当たり前だ」として抗議を求める書き込みをあげた。浜田議員のユーチューブ動画にも「韓国がスポーツを政治に利用している」、「学校認可を取り消さなければならない」、「日本の大会では日本語を使わなければならず、それが嫌なら韓国の大会に出るべき」など、浜田議員に同調するコメントが多数ついた。
ただし、嫌悪発言を自制しなければならないという指摘も少なくない。 あるネットユーザーはXへの投稿で、「京都国際高校に申し訳ない気持ち」とコメントし、別のネットユーザーは「うちは家族みんなで京都国際高校を応援している。このような恥ずかしい書き込みは削除してほしい」と綴った。
京都国際高校に対する嫌韓世論は今回が初めてではない。 2021年に初めて甲子園本選に進出しベスト4まで勝ち上がった時も、脅迫コメントと電話が相次ぎ、警察が学校周辺を巡察したこともあった。京都国際高校のペク・スンファン校長は23日、試合に先立ち、韓国のCBSラジオ「キム・ヒョンジョンのニュースショー」のインタビューで、「今回も(嫌韓ムードが)なくはない」とし、「5件ほどはヘイトスピーチの電話がかかってきた」と語った。
嫌韓世論が拡散する兆しを見せたことを受け、京都府の西脇隆俊知事は23日定例会見で、「許せない行動で慎んでほしい」とし差別的な投稿の自制を求めたと朝日新聞が報じた。 同報道によると、京都府は準々決勝があった19日からモニタリングを行い、22日までに4件の差別的投稿の削除をXなどの運営事業者に要請した。
京都国際高校は、1947年に京都朝鮮中学として開校した後、1961年に韓国政府の認可、2003年に日本政府に「一条校」として認可を受けた。京都国際高校の生徒数は2024学年度基準で137人で、在校生の国籍(中学校課程22人を含む)は日本の生徒が127人、30人程度が韓国にルーツを持っているという。