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韓国外交部、元CIAの研究員に「尹大統領の決断称賛」コラム執筆を依頼

登録:2024-07-19 10:34 修正:2024-07-20 01:24
朴槿恵、文在寅、尹錫悦政権まで活動続く 
起訴状にはソ・フン元国情院長の行動まで明らかに
米外交問題評議会(CFR)のスミ・テリー上席研究員が昨年3月、韓国外交部のロビー活動を受けてワシントン・ポストに書いた「韓国、日本との和解に向けて勇気ある一歩を踏み出す」と題するコラム=ワシントン・ポストのホームページより//ハンギョレ新聞社

 韓国政府のために違法行為をしたという外国代理人登録法違反の疑いで、米連邦検察に起訴された米中央情報局(CIA)出身のスミ・テリー外交問題評議会(CFR)上席研究員(韓国系米国人、北朝鮮専門家)の事件が、朝鮮半島問題を担当した米高官らと韓国国家情報院(国情院)の情報活動の適切性をめぐる議論に広がる兆しをみせている。国情院長を含む高官の行動や発言も具体的に明らかになったことで、保身のずさんさも指摘されるものとみられる。

 17日(現地時間)に米ニューヨーク南部地検が公開した起訴状には、テリー研究員と親しい間柄といわれる前国務省北朝鮮担当官兼副次官補のジョン・パク氏と推定される朝鮮半島問題担当の高官が登場する。テリー研究員が2021年4月16日、ワシントンで国情院の要員と夕食を取りながら「以前CIAと国家情報委員会(NIC)の高官を歴任し、韓国業務を担当する国務省の高位当局者とテリーの親密な関係」について話した、という内容が含まれている。名前は言及されなかったが、ジョン・パク氏の履歴と重なる。ジョン・パク氏は、国家情報局(DNI)傘下のNICの韓国担当副情報官、CIA東アジア太平洋ミッションセンター局長を務め、当時は国務省東アジア太平洋副次官補を務めていた頃だった。ジョン・パク氏が今月5日付で突然辞任した背景にも、テリー研究員の疑惑が関連している可能性があるという推測が出ている。

 韓国国情院の高官らの行動もありのままに書かれている。起訴状には「2018~2019年、韓国の情報関係者らに米国の国家安保官僚らとの会合を提供」と題して、この期間にテリー研究員が国情院の高位官僚ら、米政府関係者らと共に会っていた事実が摘示されている。テリー研究員は2019年1月15日、国情院の要請を受けて所属していたシンクタンクで非公開会議を開いたが、ここには「韓国国情院長(Director of the ROK NIS)と国情院関係者、米国の国家安保高位関係者らが参加した」とされている。

2021年4月、スミ・テリー上席研究員がワシントンで韓国国情院の要員とともに高価なバッグを購入して街頭に出る様子=米連邦検察の起訴状からのキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 この会議には、当時の国情院トップであるソ・フン院長が出席したものと推定される。会議で国情院長は、米国の関係者の前で、米国と北朝鮮の指導者の関係を含む北朝鮮政策について発言し、その後、国情院の要員がテリー研究員にショートメールで「非常に良かった」「行事をコーディネートした努力」に感謝するとのメッセージを送っていた。この時はドナルド・トランプ大統領の任期の時であり、同会議の約40日後、ベトナムのハノイでトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の2回目の朝米首脳会談が開かれた。その後、米国側の情報関係者らは今回の事件を捜査した連邦捜査局(FBI)要員との面談で、同会議が「非常に異例」だと考え、海外の情報機関のトップに会うためにシンクタンクに招待されたという他の事例は考えられないと証言したと公訴状に記されている。

 起訴状によると、テリー研究員の活動は朴槿恵(パク・クネ)政権時代に始まり、文在寅(ムン・ジェイン)政権を経て尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権まで続いてきた。テリー研究員は韓国外交部から、昨年3月に尹大統領が最高裁判所(大法院)の強制動員賠償判決問題で日本に一方的に譲歩する内容の「第三者弁済方式」を通じて対日関係改善を試みたことについて書いてほしいという要請を受けた。要請を受けた後、「コラムを書けるよう関連情報を送ってほしい」というショートメールを返信。その後、ワシントン・ポストに「韓国、日本との和解のために勇気ある一歩を踏み出す」(South Korea Takes a Brave Step Toward Reconciliation with Japan)と題するコラムを、コラムニストのマックス・ブートと共同で掲載した。このコラムで「尹大統領の決定は、政治的には不利になる可能性があるにもかかわらず下した決断」と描写した。起訴状は、このコラムのかなりの部分において韓国政府がテリー研究員に提供した内容との一致(broadly consistent)がみられると指摘している。また、その後テリー研究員が韓国政府関係者に「気に入っていただけただろうか」とショートメールを送ったことも明らかになった。

 国情院が絡んだ事件の具体的な情況が、米連邦検察を通じて大衆に異例に公開されたことには意図があるという指摘も出ている。今後、韓米情報当局間に摩擦が生じる可能性もあるという懸念が出ているのもこのためだ。国情院は前日、「韓米情報当局は緊密に意思疎通している」という原則的な答弁をし、米国務省のマシュー・ミラー報道官はこの日のメディアブリーフィングで、事件に関して「韓国政府と話し合ったか」との質問に「この問題については言及しない」と答えた。

スミ・テリー上席研究員が2020年8月、ニューヨークのマンハッタンのレストランで韓国国情院の関係者らと食事をしている様子=米連邦検察の起訴状からのキャプチャー//ハンギョレ新聞社
キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1149686.html韓国語原文入力:2024-07-18 20:56
訳C.M

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