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「現在15歳以下なら生涯タバコは買えない」英国、世界で最も厳しい禁煙法に踏み出す

登録:2024-04-17 19:42 修正:2024-04-18 08:03
タバコ購入可能年齢、18歳から毎年引き上げる内容の法案 
スナク首相が推進…大差で下院の最初の敷居を通過
英国のスナク首相が15日(現地時間)英国議会下院で発言している=英国議会提供/AFP・聯合ニュース

 現在15歳以下からは非喫煙世代にするという英国政府の大胆な計画が議会の最初の敷居を越えた。

 英国下院は16日(現地時間)「タバコと電子タバコ法案」を第二読会で383対67の賛成多数で可決し、法案を下院審査の次の段階に移した。

 この法案は、英国でタバコを買える法的年齢を現在の18歳以上から毎年段階的に引き上げ、ついには誰も合法的にタバコを買えないようにする内容が盛り込まれた。そうなれば、2009年生まれ、今年15歳になる世代からは成人になってもタバコを買えないことになる。

 法案が最終的に可決されれば、英国は世界で最も厳しい禁煙国家に生まれ変わることになる。政府当局者は「現代英国で初の禁煙世代が作られる」と述べた。

 法案は電子タバコの購入と販売も制限している。安価な使い捨て電子タバコの販売を禁止し、フレーバーやパッケージにも制限を設け、若い世代の接近を遠ざけるようにしている。

 昨年10月、スナク首相が同法案を提案し推進している。しかし、政権保守党内で一部の議員が「国民の基本的自由を制限することは保守的議題ではない」として反対し、議論がおきた。喫煙者団体では「闇市場を繁盛させる結果を生むだろう」とし、「未来世代の大人を未成年者扱いすることは不当だ」と反発した。

 これに対してビクトリア・アトキンス保健長官は下院の討論で「喫煙のために寿命が短くなったり、取り返しのつかない人生の変化を経験したりする」とし「中毒には自由がない。次世代を保護するのは我々の責務だ」と反論した。

 保守党は今回の採決で議員に党論にとらわれない自由投票を許可した。このため、保守党では賛成178人、反対57人、棄権106人を記録した。しかし、野党の労働党が積極的に賛成に乗り出し、法案は大差で第一歩を踏み出した。

 この法案はニュージーランドでジャシンダ・アーダーン政府が推進した禁煙法をベンチマーキングしたものだが、今年初めにスタートしたニュージーランド保守連合はこの禁煙法を廃棄した。今後法案は、委員会の審査と全体会議の報告、3回目の読会を経て下院を最終的に通過すれば上院に移る。上院の最終投票は6月中旬になる見込みだ。

 英国の喫煙者は1970年代以降3分の2が減った。しかし、依然として人口の13%である640万人がタバコを吸い、毎年8万人が喫煙と関連した疾病で死亡していると英国政府は明らかにした。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1137022.html韓国語原文入力:2024-04-17 18:10
訳J.S

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