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自衛隊、靖国神社に集団参拝…「事実上の命令」

登録:2024-02-22 06:25 修正:2024-02-22 06:50
昨年5月の航海前の参拝が判明 
海上自衛隊「私的参拝、問題ない」 
軍事評論家「事実上の命令」
東京都千代田区にある靖国神社=東京/AFP・聯合ニュース

 日本の海上自衛隊の司令官と隊員が遠洋練習航海に先立ち、太平洋戦争のA級戦犯が合祀されている靖国神社に集団参拝したことが分かった。自衛隊は個人の自由意志だったとしたが、「事実上の命令」だとする批判が出ている。

 朝日新聞は、昨年5月17日に日本の海上自衛隊の幹部候補生学校の卒業生165人を対象に東京九段下の近くで研修が行われ、休憩時間に希望者が制服姿で靖国神社に集団参拝したと、21日報道した。希望者は事前に募集され、練習艦隊が停泊していたふ頭から神社の近くまで官用バスで移動したと報じた。

 これらの参拝は昨年7月の靖国神社の社報にも掲載され、社報には制服姿の隊員が参拝する写真とともに「航海に先立ち正式参拝した」と記されている。また、「(遠洋練習航海は)昭和32年(1957年)以降実施され、今回で67回目となる。出発前には当神社へ正式参拝に訪れている」としている。自衛隊の集団参拝が定例的に行われていたのではないかという疑惑が提起された。練習艦隊には海上自衛隊の幹部候補生学校の卒業生が配属され、遠洋練習航海は約6カ月の間に各国を訪問するプログラムだ。

 海上自衛隊のトップである酒井良海上幕僚長は、20日の記者会見で「練習艦隊として公式参拝したということではない。研修の合間に個人が自由意思のもとで私的に参拝した」とし、「問題視することもなく、調査する方針もない」ことを明らかにした。自衛隊員が、日本の侵略戦争を美化する様々な物品が展示されている戦争博物館「遊就館」を訪問したかについては、「研修として訪問していない。自由時間に行ったかは把握していない」と述べた。1974年に定められた「宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること及び隊員に参加を強制することは厳に慎む」とする日本の防衛省の内部規定(通達)に違反するものではないという主張だ。

 しかし、日本の軍事専門家は「事実上の命令」だと批判した。軍事評論家の前田哲男氏は朝日新聞に「参拝の意思を聞く機会があっても、卒業したばかりの実習幹部にとって参拝を拒否するのはかなり勇気が必要だろう」としたうえで、「事実上の命令だと言える」と強調した。この問題を初めて報道した日本共産党の機関紙「赤旗」は「自衛隊による靖国神社の集団参拝は、旧日本軍への回帰を懸念させる」と批判した。

 これに先立ち、小林弘樹陸上幕僚副長と自衛隊員数十人が先月9日に靖国神社を集団参拝した事実が明らかになり、議論になった。陸上幕僚副長は、韓国の陸軍本部に該当する幕僚監部で2番目に高い職位だ。

 東京都千代田区に建てられた靖国神社は、1867年の明治維新の前後に日本で繰り広げられた内戦と、日本が引き起こした数々の侵略戦争で天皇のために命を捧げた246万6000人あまりの英霊をたたえる施設だ。そのうちの約90%は、日本の太平洋戦争(1941年12月~1945年8月)に関連している。この戦争に責任があるA級戦犯14人は、1978年の合祀儀式を経て靖国に合祀された。そのため、日本の現職首相や政治家たちが靖国神社に参拝すると、日本が侵略戦争を反省していないという意味に解釈され、周辺国が反発するなど大きな外交的問題になってきた。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1129203.html韓国語原文入力:2024-02-21 21:03
訳M.S

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