韓服(チマチョゴリ)姿の女性を嘲弄する書き込みをソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿した自民党の杉田水脈衆議院議員に対し、札幌法務局が先月「人権侵害があった」と認定したのに続き、大阪法務局も同じ判断を下した。
19日付の朝日新聞やNHKの報道によると、大阪法務局は先日、杉田議員が2016年にSNSに投稿した書き込みに対し、人権侵害があったと判断した。
杉田議員は7年前の2016年、スイスで開かれた国連の女性差別撤廃委員会に参加した後、自身のSNSに「会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」という書き込みを写真付きで載せた。投稿には「完全に品格に問題がある。同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」という内容もあった。
韓国の韓服とアイヌ民族の伝統衣装を卑下した発言は、杉田氏が議員ではなかったため大きな議論にはならなかったが、昨年8月に総務政務官に起用された後に知られ、物議を醸した。杉田議員はその後投稿を削除したが、他の「暴言」にも批判が相次いだことから、4カ月後の昨年12月に政務官を辞任した。
大阪法務局の認定は、韓服を着て国連の会議に参加した在日コリアンの女性3人がこれを人権侵害だとし、今年2月に法務局に被害を申し立てたことによるもの。これに先立ち、札幌法務局の判断は、2016年の会議に参加した札幌アイヌ協会所属の女性が杉田議員の書き込みについて「侮辱であり、人格を否定する差別的内容」だとして人権救済を申し立てて認められたものだ。アイヌは北海道・サハリンなどに住んでいた先住民で、日本の明治政府以後、文化と言語使用が禁止されるなど長い間差別を受けてきた。
今回の決定に対して杉田議員は「一部認定された部分については、すでに昨年削除して謝罪している」とコメントしたとNHKは報じた。
「男女平等は絶対に実現し得ない、反道徳の妄想」(2014年、衆議院本会議)「(同性カップルに向けて)彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」(2018年、月刊誌寄稿)など、杉田議員はたびたび暴言を発しており、自民党内部でも批判の声があがった。
現在、杉田議員は自民党の党役員を務めている。大阪法務局に人権侵害を申し立てた女性の一人は、朝日新聞に「人権侵犯と認められたことは安心したが、党の要職に置く自民党の判断は問題だ」と語った。
誠信女子大学のソ・ギョンドク教授は19日、自身のフェイスブックに「杉田議員は他国の代表的な伝統衣装に対する基本的な礼儀のない発言であることを認め、心からお詫びしなければならない」とし、「どうか基本的な品格を守ってほしい」という書き込みを載せた。