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「人質200人対パレスチナ収監者6000人」…ハマス、交換交渉の用意を示唆

登録:2023-10-18 06:38 修正:2023-10-18 09:15
ハマスが顔を公開したフランスとイスラエル国籍の人質、ミア・シェムさん(21)=X(旧ツイッター)より//ハンギョレ新聞社

 イスラム武装組織ハマスが7日(現地時間)、イスラエル攻撃の過程で抑留した人質を、イスラエルに収監されているパレスチナ人を釈放させる交渉に利用する意向を示した。

 ハマスの高官、ハレド・メシャル氏は16日、カタールの「アル・アラビテレビ」に出演し、イスラエルの刑務所に収監中のパレスチナ人を全員解放するのに必要なものを確保したと述べた。メシャル氏はハマスの元政治局議長であり、現在カタールにあるハマス事務所を率いている。この発言は、イスラエルの刑務所にいる約6千人のパレスチナ人収監者全員の釈放を条件に人質交渉を行う用意があることを示すものとみられる。ハマスはこれまでイスラエルにパレスチナ人受刑者全員の釈放を要求してきた。イスラエル軍は15日、ハマスに拘束されている人質は199人で、彼らの身元を確認し、家族に通知したと発表した。

 だが、英紙「ガーディアン」の報道によると、ハマスは人質が250人だと主張している。 ハマスの軍事組織アルカサム旅団のアブ・ウバイダ報道担当は、同日公開したビデオメッセージで、ハマスは200人の人質を抑留しており、他の分派が50人を別に抑留していると明らかにした。ウバイダ氏はイスラエルのガザ地区爆撃で、少なくとも22人の人質が死亡したと主張した。

 ウバイダ氏は、イスラエル人ではない外国人を解放する可能性もほのめかした。「外国人はわれわれの客あり、われわれは彼らの保護に努めている」とし、「地上の状況が落ち着けば、他国の国籍の人たちを解放するだろう」と語った。また、別のハマス高官のムサ・アブ・マルジュークも「イスラエルがガザ地区を爆撃し続けているため、外国人の人質を解放できない」と主張した。

 これに対してイスラエル国防軍(IDF)のダニエル・ハガリ報道官は「人質がどこにいるのか把握するため努力しており、情報も確保した」としながらも、「我が国の国民を危険に陥れる攻撃には出ない」と述べた。

ハマス高官のハレド・メシャル氏が16日、イスラエルの人質をイスラエルに収監中のパレスチナ人の解放に利用する意向を示した/EPA・聯合ニュース

 アルカサム旅団はまた同日、人質の一人であるフランスとイスラエルの国籍を持つ女性、ミア・シェムさん(21)の動画を公開した。動画にはシェムさんが負傷した腕の治療を受ける場面も出てくる。シェムさんは治療を受けた後、カメラに向かって「治療を受け、薬も提供された」とし、「できるだけ早く家に帰ることを願っている。私がここからできるだけ早く出て行けるようにしてほしい」と語った。シェムさんの家族は、動画の女性がミア・シェムさんであることを確認した。ロイター通信が報じた。イスラエル軍も動画の中の女性の身元を確認し、女性の家族と接触し続けていると明らかにした。

 一方、トルコのハーカン・フィダン外相は同日、ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏と初めて電話会談を行い、人質解放問題について協議した。ロイターによると、軍消息筋は2人が人質解放の可能性とともに、最近のイスラエルとハマスの衝突状況について話し合ったと伝えたが、さらに詳しい言及は避けた。トルコ政府は人質解放のために先週からハマスと接触してきたが、同日初めて接触した事実を公開した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1112411.html韓国語原文入力:2023-10-18 01:20
訳H.J

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