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「韓国式ウクライナ」も解決策に…ロシアの「開戦1年」の大攻勢が分岐点(1)

登録:2023-02-21 03:40 修正:2023-02-21 08:07
欧州を変えたウクライナ戦争1年
18日(現地時間)、ウクライナ西部のイヴァーノ=フランキーウシク州ジェレネで、住民が雪の中、救護団体から支援物資を受け取っている=ジェレネ/AP・聯合ニュース

 「新冷戦」の序幕をこじ開けてしまったウクライナ戦争が勃発してから、24日で1年になる。当初の予想とは異なり、西欧の全面的な支援を受けるウクライナとロシアとの「長期戦」となってしまっているこの戦争を通じて、新たに構成される欧州と世界の新秩序の姿を決定する様々な要素が明確になった。

 第1に、この戦争によってロシアから「完全に独立した」ウクライナが誕生した。ロシアは、旧ソビエト連邦の一部だったウクライナを自国の勢力圏に完全に「再編入」するために今回の戦争を敢行した。しかしヴォロディミル・ゼレンスキー大統領を中心とした粘り強い抗戦で、ウクライナは独自のアイデンティティーを確立した民族国家へと生まれ変わった。第2に、2014年以降ロシアに編入されたクリミア半島、また、その後内戦が続いたドンバス地域の地位だ。ロシア系住民が絶対多数を占めるこれらの地域も、今回の戦争によってウクライナに復帰することは事実上難しくなった。

 このような「厳然たる現実」は、ウクライナ戦争の解決策を模索すべきロシアとウクライナの双方を少なからず悩ませる。特にクリミア半島とドンバスの今後の地位の問題は、平和交渉の焦点とならざるを得ない。現在、ウクライナはクリミア半島を含むすべてのロシア占領地の奪還という目標をあきらめておらず、ロシアはクリミア半島とドンバスにとどまらずザポリージャ州とヘルソン州の併合をも終えている。この核心の争点で意見の隔たりが狭まらなければ、従来の解決策の模索は難しくなる。

■ 何度もひっくり返った戦況

 ウクライナ戦争の戦況は、この1年間で劇的な変化を遂げてきた。昨年2月24日に始まった戦争初期に、ロシアはキーウを一気に陥れ、ゼレンスキー政権の首を切ろうとした。しかしウクライナの粘り強い抵抗により、ロシアは3月末から4月初めにかけて、キーウをはじめとする北部戦線から撤退せざるを得なかった。ロシアはその後、5月から今回の戦争の主戦線であるドンバスで攻勢を強め、占領地を拡大した。

 しかし8月末には、米国などから長距離攻撃兵器の支援を受けたウクライナの大反撃が行われた。ロシアは9月以降、東部ハルキウと南部ヘルソン州の広い占領地を明け渡さなければならなかった。結局、11月初めにはヘルソン市を放棄し、ドニプロ川の東岸に兵力を撤退させて戦列を整える状況にまで追い込まれた。その後、ロシアは再び東部ドンバスに戦力を集中させ、12月以降の激戦地であるバフムート戦線で有利な立場に立っている。さらに、戦争開始1年にあたって大攻勢に打って出るだろうとの見方が相次いで示されている。

 ロシアはこの過程で、ゼレンスキー政権を除去し、ウクライナに「親ロ政権」を樹立するという目標を事実上放棄せざるを得なかった。代わりに東南部の占領の固定化を進めている。これを法的に後押しするため、昨年9月末に東南部4州でロシアとの合併の是非を問う住民投票を実施し、10月初めに合併を終えている。(2に続く)

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1080363.html韓国語原文入力:2023-02-20 09:00
訳D.K

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