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バイデン大統領、同盟国の背中を切りつけ「世界中の企業が米国に集まってくる」

登録:2022-09-07 06:35 修正:2022-09-07 08:29
本格的に始まった中間選挙キャンペーンで「全世界の企業、米国に集まる」 
「韓国企業のトップ、『安全な環境・最高の労働者』の国として米国を挙げた」 
同盟国の生産施設・雇用吸収政策を自分の功績として強調 
訪米した通商本部長「EV、必要に応じて日欧と協力」
米国のジョー・バイデン大統領が5日、ウィスコンシン州のミルウォーキーで、中間選挙遊説兼メーデー記念演説を行っている=ミルウォーキー/AP・聯合ニュース

 米国のジョー・バイデン大統領が、韓国企業が米国に大規模な投資をしたことを、自分の代表的な功績に掲げた。電気自動車(EV)購入補助金の支給をめぐり、同盟国に対する差別という声があがっているにもかかわらず、「米国製」を強調し、保護主義路線を固守する意志も示した。

 バイデン大統領は5日、ミルウォーキーでのメーデー記念演説で「全世界のメーカーが米国に集まっている。韓国から、日本から、全世界から集まってくる」と述べた。さらに「韓国企業のトップがなぜ米国に投資するのかについて私に何と言ったか知っているか。我々が最も安全な環境と最高の労働者を持っているからだ」と語った。また「我々は米国製の製品を使う米国の工場で米国人労働者と共に米国の未来を建設する」と強調した。

 サムスン電子は米国で半導体分野に170億ドル規模の投資を行うことを決めた。SKのチェ・テウォン会長は7月にホワイトハウスを訪問し、半導体とEVバッテリーなどで米国に約300億ドルを投資すると明らかにした。現代自動車は105億ドルを投資することにし、その一部は現代自動車のチョン・ウィソン会長が5月に訪韓したバイデン大統領に会って発表した。

 11月に行われる中間選挙キャンペーンの遊説も兼ねたこの演説で、バイデン大統領は韓国企業などの投資による先端産業の雇用創出を自らの主な功績として掲げた。バイデン大統領は「これほどの期間に1千万近い雇用を作った大統領はこれまでいなかった」と述べた。今回の演説を行ったミルウォーキーは、民主党と共和党が拮抗する代表的な「スイングステート」であるウィスコンシン州の都市で、バイデン大統領は同日、同じく「スイングステート」と呼ばれるペンシルベニア州のピッツバーグ付近でも鉄鋼労働者を対象に演説した。この1週間、バイデン大統領はペンシルベニア州を3回訪問し、演説を行った。

 バイデン大統領のこのような態度と、中間選挙を約2カ月後に控えた状況を考えると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が進める外国製EVに対する差別措置の是正は難しい課題になる見通しだ。「インフレ抑制法」(IRA)の問題点を指摘するため、同日訪米したアン・ドックン産業通商資源部通商交渉本部長は空港で記者団に対し、「早いうちに米国と閣僚級チャンネルを稼動する」と述べた。キャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表に会う予定のアン本部長は、自身とタイ代表がこのチャンネルのカウンタパートになるのが適切だとし、「彼女も事案の深刻性をよく知っていると思う」と語った。また、「欧州と日本は事実上、韓国とほぼ同じ状況だ」とし、「(彼らと)立場を共有し、今後必要に応じて政府間の協力とその他の法的手続きなどを協力する案を模索する」と述べた。韓国、日本、ドイツ、英国、スウェーデンの駐米大使館の実務級関係者たちは、先週会合を開き、この問題に対する互いの立場を確認し、協力の可能性を打診した。

 アン本部長は「『インフレ抑制法』は韓米産業通商関係で非常に重要な試金石になる事案」だとし、「今後、韓米産業環境の構築においてこのようなことが再発しないようメッセージを伝えるとともに、満足できる解決策を見つけるよう全力を尽くす」と述べた。

ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1057702.html韓国語原文入力:2022-09-07 02:01
訳H.J

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