日本の衆議院副議長を務めた自民党の衛藤征士郎議員(81)が「日本は韓国の兄貴分」と発言し、物議をかもしている。
朝日新聞は5日付の記事で、前日開かれた自民党会合で衛藤議員が韓日関係について「韓国はある意味で兄弟国。はっきり言って、日本は兄貴分だ」と述べたと報じた。さらに「韓国ともしっかり連携し、協調して(日本が)韓国をしっかり見守り、指導するんだという大きな度量を持って日韓関係を構築するべきだ」と主張したという。記者団が発言の真意について尋ねると、衛藤議員は「我が国(日本)はかつて韓国を植民地にした時がある。それを考えた時に、韓国は日本に対してある意味兄貴分みたいなものがある」と答えた。日韓は対等ではないのかという質問に対しては、「日本国民は日米関係を対等だと思っているか。僕は思っていない。同じように日韓関係は対等だと韓国が思っていると、僕は思っていない」としたうえで、「日本は常に指導的な位置に立ってしかるべきだ」とも述べたと、同紙は報道した。
衛藤議員は自民党最大派閥の「安倍派」(清和政策研究会)に属するベテラン議員だ。1941年全羅南道康津(カンジン)で生まれ、自社さ連立政権の村山内閣で防衛庁長官を務め、2009年9月から2012年11月まで衆院副議長を務めた。韓日議員連盟の日本側パートナーである日韓議員連盟にも所属している。
「聯合ニュース」の報道によると、日本を訪問中の韓日議員連盟のユン・ホジュン(共に民主党)幹事長は同日午前、東京帝国ホテルで開かれた韓国報道関係者との懇談会で、衛藤議員の発言と関連した質問に「そのような発言があったのは非常に遺憾だ」と答えたという。ユン幹事長は「(昨日)合同幹事会議をしながらも(1998年『韓日共同宣言-21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ共同宣言』を発表した)金大中(キム・デジュン)-小渕精神に基づき、歴史認識に後退があってはならないと(日本側に)伝えたが、安倍晋三元首相と縁の深いベテラン議員がそのような認識を示したのは残念だ」と述べたと、同ニュースは報じた。
衛藤議員の発言に対して日本国内でも批判が出た。小沢一郎衆議院議員(立憲民主党)はツイッターで「凄まじい妄言。どの国でも外交関係は対等。こんな失礼な発言は、ますます日韓関係を悪化させ、安全保障環境を破壊する」とコメントした。