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日本防衛白書に「反撃能力」初明記…中国・北朝鮮などのミサイル基地に向け

登録:2022-07-23 06:37 修正:2022-08-03 10:52
「周辺国のミサイル関連技術が急速に進化 
国民の命守るため、あらゆる選択肢を検討」 
今年改定される国家安保戦略に反映する考え 
NATOの事例挙げ、防衛費増額を強調 
独島領有権18年連続で主張 
外交部、日本政務公使呼んで抗議
中国を狙った4カ国の安全保障協議体「クアッド」に参加している米国、インド、日本、オーストラリアの海軍が昨年10月、インド洋のベンガル湾で「マラバール」合同演習を行っている/AFP・聯合ニュース

 日本防衛省が今年の「防衛白書」に、北朝鮮や中国など周辺国のミサイル基地を直接攻撃する「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を初めて明示した。防衛費の増額について、北大西洋条約機構(NATO)が国内総生産(GDP)の2%以上を目標にしているという内容も新たに加えた。独島(ドクト)の領有権主張が18年連続で展開され、独島防衛訓練を非難する内容も2年連続で盛り込まれている。

 日本政府は22日に開かれた閣議で、2022年版「防衛白書」を採択した。今年の「防衛白書」では、これまで「敵基地攻撃能力」と呼ばれた「反撃能力」が初めて記述された。白書は「わが国周辺においては極超音速滑空兵器や、変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術が急速なスピードで変化・進化している」とし、「迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命や暮らしを守り抜くことができるのかといった問題意識のもと、新たな国家安全保障戦略などを策定する中で、あらゆる選択肢を検討している」と記述した。さらに「岸田首相は2022年5月23日の日米首脳会談後の共同記者会見において『いわゆる「反撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除しない』と述べている」とも書いた。日本政府が今年改正する予定の外交・安全保障政策の基本方針である国家安全保障戦略などに、「敵基地攻撃能力」保有を「反撃能力」に改称して反映させるという意志を明確に示したものだ。

 防衛費増額と関連しても、白書には「北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、2024年までに対GDP比2%以上の国防支出を達成することで合意した」という部分が新たに加えられた。日本政府は先月、自民党の提言を受け、「NATOの事例」に触れ、「5年以内に防衛力を根本的に強化する」という内容の「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」を決めた。自民党は防衛費を「5年以内に2倍以上」の増額を目指すべきだと主張する。

令和4年版『防衛白書』の表紙//ハンギョレ新聞社

 中国の台湾侵攻シナリオも初めて記述された。台湾側が分析する「台湾有事(戦争)シナリオ」が盛り込まれ、台湾と関連した内容は昨年より2倍以上増えた。白書には、中国が演習の名目で軍を中国沿岸に集結させ、台湾民衆のパニックを起こした後▽ミサイルとサイバーの両方で重要施設を攻撃し▽上陸作戦で制圧するという内容が記述された。白書は「台湾をめぐる情勢の安定はわが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要だ」と強調している。

 「ロシアによるウクライナ侵略」については、同じ題名の別章を作り、13ページにわたって解説した。「力による一方的な現状変更は欧州のみならず、アジアを含む国際秩序全体の根幹を揺るがすもの」だと指摘した。

 独島に対する領有権の主張が繰り返され、昨年に続き独島防衛訓練を非難する内容が掲載された。白書は「竹島(日本が主張する独島の名称)の領土問題が未解決のまま存在している」と記述した。2005年以降18年間、理不尽な主張を繰り返している。また、2018年の日本海上自衛隊の哨戒機飛行問題(日本は韓国駆逐艦が自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを照射したと主張)と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了通告にも言及し、 韓国防衛当局の否定的な対応が続いていると記述した。ただし白書には「日韓両国を取り巻く安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、日韓の連携は益々重要となっている」という内容が新たに加えられた。

 日本の独島領有権主張に対して、韓国外交部は報道官論評で「(日本が)明白な韓国固有の領土である独島に対する不当な領有権主張を繰り返したことに対して強く抗議する」とし「即時撤回」を求めた。外交部アジア太平洋局のソ・ミンジョン局長代理(審議官)は同日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)の外交部庁舎に林誠駐韓日本大使館総括公使代理(政務公使)を招致した。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1052010.html韓国語原文入力:2022-07-2218:01
訳H.J

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