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EU、年末までにロシア産石油輸入禁止案…加盟国の意見の相違続く

登録:2022-05-05 12:39 修正:2022-05-05 13:01
第6次ロシア制裁草案、加盟国に伝達 
ハンガリー、スロバキアなどは「代案なし」で難色 
ドイツ「欧州の経済的打撃は大きい」 
ロシア最大の銀行の制裁案も含まれる
欧州連合が3日(現地時間)、年末までにロシア産石油の輸入禁止措置を完了する第6次ロシア制裁案をまとめた。写真はベルギー・ブリュッセルにあるロシアのルクオイルのエネルギー貯蔵施設=ブリュッセル/EPA・聯合ニュース

 欧州連合(EU)は3日(現地時間)、今後6~8カ月以内にロシア産石油の輸入を段階的に禁止する内容を含む第6次ロシア制裁案をまとめた。

 EU執行委員会はこの日、ロシア産石油と銀行部門に対する制裁を主な内容とする、ロシアのウクライナ侵攻に関する制裁案を加盟国に伝えた。AFP通信が報じた。

 同通信によると、加盟国の大使らは4日にこれについて議論する予定だが、ハンガリーなど一部の加盟国がロシア産石油の輸入禁止に難色を示すなど、意見の食い違いが出ている。EUが制裁案を確定するためには、加盟国全体の同意が必要となる。

 ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は「(ロシアの)銀行を追加で国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除し、虚偽情報流布者のリストを作成し、石油輸入を遮断することを内容とする6回目の制裁案作りを進めている」と話した。

 EUが用意した制裁案草案は、加盟国が今後6~8カ月以内に段階的にロシア産石油の輸入を禁止し、年末までに輸入禁止を完了するとの内容を含んでいる。ただし、ロシア産石油の依存度が100%に近いハンガリーとスロバキアに対しては輸入禁止期限を数カ月延長する案が含まれているとAFPは伝えた。

 これについてスロバキアは、ロシア産石油の輸入を中止するまでには少なくとも数年かかると指摘した。スロバキアはベラルーシとウクライナを通過する「ドルジバパイプライン」を通じて輸入されるロシアの石油に依存しており、精油施設もロシア産原油に合わせて設計されていると同通信は伝えた。ハンガリーも、ロシア産石油に代わる他の供給策が保障されないならば制裁案に反対するという態度を見せている。

 EU関係者らは、ブルガリアとチェコも石油輸入禁止案の適用猶予対象として認めるよう求める可能性が高いと伝えた。外交官らは、いくつかの加盟国に例外を認めた場合、他の加盟国も相次いで同じ要求をする恐れがあると懸念を示した。

 ロイター通信によると、EUの第6次ロシア制裁案にはロシア最大の銀行であるズベルバンクの国際決済網排除も含まれている。EUは先月初め、第5次制裁案にロシアの主要な4つの銀行の取引を全て禁止する内容を入れたが、ズベルバンクは制裁対象に含まれなかった。同行はチェコなど一部の欧州諸国でも営業活動を行っている。

 これまでロシア産石油の輸入禁止に反対していたドイツは最近支持に転じていたが、ロシア産石油輸入禁止の代価は大きいと警告したと、英国経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が伝えた。ドイツのロベルト・ハベック経済長官は、2日に開かれたEUエネルギー関連長官会議で、経済的な負担に耐えられないシナリオを推進しないことが重要だとし、「われわれ欧州人はウクライナを助けるための(経済的負担に)耐える準備はできているが、代価なしにこれを達成する道はない」と述べた。また、ドイツはロシア産の石炭と石油に代わる方策作りに大きな進展を見せているが、一部の国は時間がかかる可能性があると述べた。同紙によると、ハベック長官はロシア産石油の輸入禁止措置がエネルギー価格上昇を誘発し、ロシアをむしろ助けることになりうる「曖昧な兵器」だと指摘した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1041549.html韓国語原文入力:2022-05-04 14:06
訳C.M

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