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初の東南アジア歴訪に出た米国務長官、「中国牽制」に集中砲火

登録:2021-12-15 02:35 修正:2021-12-15 07:44
インドネシア大統領と面会し、インド太平洋政策について演説 
「南シナ海の航海の自由、台湾海峡の平和と安定」求める
トニー・ブリンケン米国務長官が今月14日、インドネシア・ジャカルタのインドネシア大学で米政府のインド太平洋政策を説明する演説を行っている/ロイター・聯合ニュース

 米国のトニー・ブリンケン国務長官が14日、中国はインド太平洋地域で「攻撃的行動」を止めるべきだと述べた。また、中国に対抗し、これらの地域の同盟国と軍事・経済分野における関与を強化する考えを示した。

 ブリンケン長官は同日、インドネシアのジャカルタにあるインドネシア大学で、米政府のインド太平洋政策を説明する演説を行った。バイデン政権発足後、ブリンケン長官が東南アジアを訪れたのは今回が初めて。

 演説の焦点は予想通り「中国牽制」だった。ブリンケン長官は「米国は『ルールに基づいた秩序』を守るために同盟国と協力する」とし、「各国は『それぞれの道』を選ぶ権利がある」と述べた。さらに、米中の戦略競争について「米国中心の地域(インド太平洋)か、中国中心の地域かの競争ではない。それよりも、この地域と世界で最も平和で繁盛する時期をもたらした権利と合意を守ることに関することだ。だからこそ、北東アジアから東南アジアまで、メコン川から太平洋の島々に至るまで、北京(中国)の攻撃的行動について非常に懸念している」と述べた。

 ブリンケン長官はまた、中国が「開放された海を自国のものだと主張し、国営企業に補助金を支給して市場を歪曲している」とし、「この地域の国々はこうした行動が変わることを望んでおり、米国もそれを望んでいる」と強調した。特に、中国が南シナ海に「九段線」を引いて海の大部分を領海と主張する問題について、「こうした行動は、南シナ海で年間3兆ドルにのぼる貿易の移動を脅かしている。米国は南シナ海で航海の自由を断固として保障する」と述べた。また、米中の軍事的緊張が高まっている「台湾海峡」の「平和と安定」を望んでいることも表明した。さらに、インド太平洋地域の主要同盟国を言及し、「日本や韓国、オーストラリア、フィリピン、タイなどとの条約同盟関係を深める」と強調した。このほか、気候変動▽新型コロナウイルス感染症ワクチン▽インフラ建設などに関する協力も呼び掛けた。

 ブリンケン長官は、以前の訪問先である欧州では先進7カ国(G7)と共同声明を発表し、「ロシアがウクライナに軍事的攻撃を加えた場合、取り返しのつかない結果と深刻なコストが発生する」とし、ロシア牽制に力を入れた。一方、ロシアも存在感を示し、米国と神経戦を繰り広げた。ブリンケン長官がインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談した後、ロシアのプーチン大統領の参謀であるニコライ・パトルシェフ連邦安保会議書記もウィドド大統領と面会した。ブリンケン長官はこうした事実を認識したうえで演説を行ったが、ロシアについて言及せず、インド太平洋と中国に焦点を合わせた。ブリンケン長官の次の訪問先はマレーシアとタイだ。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1023244.html韓国語原文入力:2021-12-14 14
訳H.J

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