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岸田首相「韓国に適切な対応要求」…これまでの主張繰り返す

登録:2021-10-09 04:15 修正:2021-10-09 09:38
国会所信表明演説「重要な隣国」…菅政権時の表現を維持 
国家安全保障戦略、8年ぶりの改正を明らかに 
「中国に主張すべきは主張し、対話を続ける」
4日に就任した岸田新首相は8日午後、初の国会所信表明演説を行っている=東京/AP・聯合ニュース

 日本の岸田文雄首相は、国政運営の方向性を明らかにする初の国会演説で、韓日関係については、これまでの日本政府の立場を繰り返すだけに終わった。衆院選が今月31日に予定されているなど大型の政治日程が重なっており、当面は韓日関係の改善は難しい見通しだ。

 4日に就任した岸田新首相は8日午後、国会の所信表明演説で「韓国は重要な隣国」と述べ、「健全な関係に戻すためにも、わが国の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていきます」と表明した。岸田首相が強調した「一貫した立場」は、日本軍「慰安婦」と強制動員被害者などの歴史問題について、韓国側が先に解決策を用意しなければならないということを意味する。

 日本の首相が就任後に初めて行う所信表明演説は、今後何を行うのかを国民に明らかにする場だ。昨年9月に就任した菅義偉前首相は、同年10月の所信表明演説では「韓国は極めて重要な隣国」だと述べ、「健全な日韓関係に戻すべく、わが国の一貫した立場に基づいて、(韓国に)適切な対応を強く求めていきます」と表明した。菅前首相は、今年1月の国会施政方針演説では、韓国を一段階下げて「重要な隣国」と表現したが、岸田首相もこれを維持した。

 日本は韓国との関係に応じて「基本的価値と利益を共有する最も重要な隣国」「戦略的利益を共有する重要な隣国」「最も重要な隣国」「極めて重要な隣国」「重要な隣国」などと表現している。

 岸田首相はこの日の演説で、日本外交と安全保障政策の基本方針である国家安全保障戦略(NSS)を8年ぶりに改正することを明らかにした。岸田首相は「安全保障環境が一層厳しさを増す中、わが国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜きます」と述べ、「国家安全保障戦略、(下位概念である)防衛大綱、中期防衛力整備計画の改正」を行うと強調した。首相は続いて「海上保安能力やさらなる効果的措置を含むミサイル防衛能力など防衛力の強化、経済安全保障など新しい時代の課題に、果敢に取り組んでいきます」と付け加えた。

 日本の国家安全保障戦略は、安倍晋三元首相が2013年に外交・安全保障政策のコントロールタワーである国家安全保障会議を新設して作ったものだ。岸田首相も当時は外相としてこの作業に参加し、8年後に直接初の改正に乗りだすわけだ。産経新聞は「米中対立の激化など日本を取り巻く安全保障環境が激変しているため、改定が必要と判断した」と報じた。また、「経済安全保障を重視する考えを盛り込む見通し」であり、「敵基地攻撃能力の保有も焦点」だと説明した。

 岸田首相は「こうしたわが国の外交・安全保障政策の基軸は日米同盟」だと再度強調した。さらに中国牽制を念頭に「米国をはじめ、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国・同志国と連携し、日米豪印(クアッド)も活用しながら、『自由で開かれたインド太平洋』を力強く推進いたします」と表明した。

 北朝鮮に対しては、「拉致問題は最重要課題」であり「すべての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組みます。私自身、条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウンン)委員長と直接向き合う決意」だと述べた。岸田首相は「日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します」と付け加えた。岸田首相は中国については「安定的な関係を築いていくことが、両国、そして地域及び国際社会のために重要」だと述べ、「中国に対して主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続ける」と表明した。

 岸田首相はこの日も分配中心の経済政策を熱を込めて言及した。首相は「分配なくして次の成長なし」と述べ、「大切なのは『成長と分配の好循環』」だと語った。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1014472.html韓国語原文入力:2021-10-08 16:59
訳M.S

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