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IAEA、9月から「福島原発汚染水」検証開始

登録:2021-08-20 20:00 修正:2021-08-26 07:57
韓国など11カ国の専門家が年内に現場訪問 
放射性物質の濃度「基準値遵守」がカギ
福島第一原発敷地のタンクに保管中の放射性物質汚染水/AP・聯合ニュース

 国際原子力機関(IAEA)が来月から福島第一原発に保管中の汚染水海洋放流に対する安全性検証を始めることにした。

 IAEAのラファエル・グロッシ事務局長と日本の梶山弘志経済産業相は19日(現地時間)、オーストリアのウィーンで会議を持ち、このような内容に合意したと日本経済新聞が20日報道した。グロッシ事務局長は「客観性と透明性を持って役割を果たす」と明らかにし、梶山経産業相は「厳格に検証を受ける」と話した。

 まず、福島第一原発の水タンクに保管中の汚染水(約125万トン)の放射性物質濃度を法定基準値以下に下げられるかが主要な検証対象になると同紙は明らかにした。東京電力は「多核種除去設備」(ALPS)で1次浄化をしたが、汚染水の70%からセシウム、ストロンチウム、ヨウ素など人体に致命的な放射性物質が基準値以上含まれていることが暴露され論議があった。特に、福島第一原発で稼動中のALPS3台中の2台は、日本政府の最終許可を受けていないことが分かって強い不信感を与えた。

 海洋放流前に海水で薄めればALPSで除去できないトリチウムなどの安全性が確保されるのか、汚染水が海にどのような影響を与えるのかを確認できる日本政府のモニタリング方法がどうなっているかなども調べる予定だ。海洋モニタリングの過程では、汚染水を放流する場所の近隣で採取した海水について、日本政府とIAEAがそれぞれ安全性を評価し、結果が一致するかも確認する方針だ。

 また、年内に専門家が日本を直接訪問し安全性を検証する予定だが、期間や方法なども議論する。IAEAの検証団は、韓国・米国・中国・フランスなど11の加盟国出身の専門家で構成され、韓国からは韓国原子力安全技術院(KINS)のキム・ホンソク博士が参加する。

 日本政府は、IAEAの検証を通じて安全性問題に対する日本内外の懸念を払拭する考えだ。日本経済新聞は「日本政府はIAEAのお墨付きを得て海外に安全性を強調し風評被害の抑制を狙う」と伝えた。風評被害とは、放射性物質が排出され危険だという理由で福島の食べ物を食べず、福島へも行かない現象をいう。日本政府が今年4月に汚染水の海洋放流を決めた後、周辺国である韓国や中国が強く反発した。日本国内でも漁民を中心に海洋放流に反対し葛藤が今も続いている。

 一方、検証に乗り出すIAEAは日本の発表があった当日に事務局長名義で声明を出し「日本の決定を歓迎する」と明らかにした。1957年に設立されたIAEAは、原発政策にあって「安全」を強調しているが、基本的にその拡大に重きを置いている。国際環境団体などは、福島原発事故の円満な仕上げのために汚染水問題で緊密に協力すると予想されるとし、まともな検証が可能なのかという疑いの視線もある。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1008480.html韓国語原文入力:2021-08-20 14:35
訳J.S

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