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構想こじれた菅首相…コロナ拡散で「9月衆院解散」は難しいとの見込み

登録:2021-08-18 09:52 修正:2021-08-18 17:17
「緊急事態の延長で衆院解散は難しい」 
すべての世論調査で支持率が最低値に 
コロナと豪雨で業務加重、健康異常説も
菅義偉首相=首相官邸ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本で新型コロナウイルス感染者が爆発的に増加し、「9月の衆院解散」が難しいとの見通しが出ている。衆議院解散後、選挙に勝利して自民党総裁の続投を狙っていた菅義偉首相の構想がこじれている。

 読売新聞は17日、「緊急事態宣言の延長を受け、9月中の衆院解散は難しくなったとの見方が強まっている」と報じた。同紙は自民党と公明党幹部の言葉を引用して「(緊急事態)宣言中の解散はできない」と党の雰囲気を伝えた。緊急事態の期間に国会を解散して全国的な総選挙を実施した場合、国民的反発を招きかねないと判断したのだ。自民党は、来月29日に総裁選挙を行う方向で調整に入ったという。同紙は「菅首相は衆院選に臨む前に総裁選で再選を勝ち取らなければならない公算が大きくなっている」と強調した。

 当初菅首相は、強力な新型コロナ対策を実施して感染者を減らしたうえで、パラリンピックが閉幕する来月5日以降、「衆院解散→衆院選で勝利→無投票で自民党総裁再選」を構想していた。しかし、コロナ感染が収拾がつかないほど広がり、選挙日程に支障が生じた。現在、東京・大阪など6地域に下された緊急事態は7地域が追加され13地域に増え、期間も今月31日から来月12日まで延長される予定だ。

 新型コロナの状況が劇的に改善した場合には「9月解散」も排除できないが、可能性は低い。自民党幹部らは「総裁選を予定通り実施し、その後に解散時期を見極める」という雰囲気が強いという。競争者も登場した。高市早苗・前総務相はこの日、ニッポン放送に出演し、自民党総裁選に出馬するという意欲を改めて示した。ただし、党の一部では新型コロナ拡散を理由に来月30日までの総裁の任期を延長する考えもあるという。

 政治日程が不透明になる中、菅首相の支持率はすべての世論調査で過去最低を記録するなど、回復の気配がない状態だ。共同通信は今月14~16日に世論調査(回答者1067人)を実施した結果、菅内閣の支持率は31.8%で、昨年9月の発足以来最低水準だと報じた。

 ここのところ新型コロナに豪雨災害まで重なり、菅首相は休むことができず、「健康異常説」まで提起されている。菅首相が日程なく一日中家にいたのは今年3月28日が最後で、142日間連続で執務を行っている。今月6日の広島原爆犠牲者慰霊行事で挨拶の言葉を原稿の一部を読み飛ばしたり、9日の長崎原爆犠牲者慰霊行事で遅刻したのも、健康問題と関連しているのではないかとの声が出ている。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1008002.html韓国語原文入力:2021-08-18 02:33
訳C.M

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