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到着から4時間でようやく「ウェルカム・トゥ・東京!」…コロナ時代の日本入国記

登録:2021-07-17 03:06 修正:2021-07-17 08:01
[D-7東京五輪]イ・ジュンヒ記者のドキドキ! 東京 
到着4時間で「ウェルカム・トゥ・トーキョー!」コロナ再拡散の中での取材陣入国 
未明まで入国承認出ず焦燥…現地の五輪ムードはほぼなし
東京晴海地域の五輪選手村の入り口。マスクをした関係者が通り過ぎている=東京/五輪写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「無事に東京に入れるのだろうか」

 韓国出国当日の16日未明になっても、なかなか気を緩めることができなかった。夜明けに自然と目が覚めた。防疫アプリケーション「OCHA」を開いた。依然として「活動計画の承認は完了していない」というメッセージが表示される。日本政府は日本に入国する記者たちに2週間の取材計画(アクティビティー・プラン)を求めているが、出国当日になっても承認されないケースが多数発生していた。

 午前10時に仁川(インチョン)国際空港を発った飛行機は、約2時間後に日本の成田空港に到着した。空港は閑散としており、飛行機も大半が空席だった。他のアジアの国の選手団の一部が乗っていた。2016年のリオ五輪と2018年の平昌(ピョンチャン)五輪を経験したある韓国の航空会社の客室乗務員は、「普段は本当に忙しいシーズンだが、今は社員も出勤できずにいる。五輪の雰囲気は全く感じられない」と話した。

タマノアラキさん(左)をはじめとする東京五輪の関係者が成田空港で五輪選手団と取材陣を案内している=イ・ジュンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 12時30分ごろ、飛行機から降りる私たちを迎えたのは、「TOKYO 2020」と書かれた青の服を着てプラカードを手にした人々だった。アラキタマノさん(24)が我々の入国手続きを担当する。韓国語がかなりうまくて安心した。2時間ほど待って事前問診票などを提出し、レモンと梅干の写真を見て唾を絞り出し、新型コロナウイルス検査を受けた。約1時間後、陰性判定が出た。そしてようやくいつもの入国手続きを踏むことができた。到着から4時間を経てようやく「ウェルカム・トゥ・トーキョー!」という言葉を聞いた。

 空港からホテルに向かう間、東京都内のあちこちを注視してみた。五輪の熱気は見出せなかった。歓迎の文句や五輪のシンボルは、空港を離れるとほとんど目にすることができなかった。その日出会った現地の人々は、五輪よりむしろ韓国に関心を示した。ある職員は「サムギョプサルとチーズトッポッキが好き」と韓国料理について語っていた。アラキさんも「韓国が大好き。ぜひ行ってみたい」と言っていたが、ボランティアだと思っていた彼女は旅行会社の社員だった。NHKは先月2日、東京オリンピック組織委員会の話を引用して、五輪を前にボランティアが約1万人離脱したと報じている。

空港の関係者が忙しそうにコロナ検査の書類を検討している=イ・ジュンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 東京に到着した取材陣は3日間ホテルで隔離生活を送る。組織委がホテルに常駐する職員やアプリケーションなどを通じて取材陣の動きを監視し、コンビニへ行くなどのための15分の外出のみを許可する。ホテルを出た瞬間から時間を測り、時間を守らなければ各種の不利益が与えられる可能性があると言うので、取材陣はストップウォッチを使ってコンビニを利用している。最初の2週間は公共交通機関の利用も禁止だ。

 批判も多く、トラブルも多い東京五輪。果たしてまともに開催できるのだろうか。賽はすでに投げられた。開幕日(23日)が1週間後に迫っているだけに、選手団などの関係者の入国も本格化するだろう。入国前に見せられた日本の行政には失望させられたが、現地で出会った日本人たちが入国手続きに奔走する姿からは希望がうかがえた。どの方向から見ても過去に例のない大会となるだろう。いずれにせよ、遅れたがひとまず東京にあいさつをしよう。「こんばんは、東京!」

東京/イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/1003875.html韓国語原文入力:2021-07-16 17:38
訳D.K

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