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デルタより強力な「デルタ・プラス」変異株が出現…「防疫の最大の脅威」

登録:2021-06-24 09:46 修正:2021-06-24 12:30
インド「3州で22件を発見、追跡観察中」
22日、インドのコルカタの住民たちが「マスクをつけろ」など新型コロナの防疫規則を記した大型の気球を作って浮かべている=コルカタ/AFP・聯合ニュース

 インドで今度は新型コロナウイルスの「デルタ変異株」がもう一度変異を起こした「デルタ・プラス変異株」の感染事例が報告された。世界的に伝播力の強いデルタ変異株が広がる中、新たな変異ウイルスの出現まで加わり、懸念が高まっている。

 インド連邦政府のラジェシュ・ブシャン保健相は23日(現地時間)、メディアブリーフィングで、新しいデルタ変異株がマハーラシュトラ州など3州で22件発見され、綿密に追跡観察中であることを明らかにしたと「dpa」が報じた。

 インドは新型コロナの感染者が2999万人余りと世界で2番目に多く、死亡者も38万9000人を超えたものと報告されるなど、最悪の新型コロナの被害を受けている。このような中、新たな変異ウイルスの感染事例は非常な関心を集めている。インド政府はこの日、「デルタ・プラス」を当初は「注目すべき変異株」に指定したが、数時間後に「懸念すべき変異株」へと危険性評価を上方修正した。

 デルタ・プラス変異株は、従来のウイルスより60%余り感染力が強いデルタ変異株がまた変異を起こしたウイルスだ。感染力がさらに強くなり、肺細胞の受容体とより強力に結合する特性を持つと「ヒンドゥスタン・タイムズ」がインド保健当局の話を引用して伝えた。デルタ・プラス変異株の具体的な感染力と毒性については、現在評価が進められているという。ラジェシュ・ブシャン保険相は、デルタ・プラス変異株について、臨床データの相関関係を綿密に研究しており、結果が出次第共有する考えだと述べた。また、デルタ・プラス変異株がインドを含め中国、日本、ロシア、米国、英国、スイス、ポーランド、ネパールの計9カ国で確認されたと付け加えた。

 デルタ変異株は米国でも新たな懸念の対象となっている。「CNN」によると、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は22日、メディアブリーフィングで「1日前、2日前の基準で(研究のために取り出した)培養組織の20.6%がデルタだった」とし、この数値が2週間ごとにおおむね2倍に増えていると述べた。また同所長は、デルタ変異株が米国の防疫対策において「最大の脅威」だと述べた。

 ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆保健大学院の感染症研究者のジャスティン・レスラー氏は「感染力の強いデルタ変異株が流行する一方、米国人の75%がワクチンを接種する」という前提で予測モデルを動かすと、新型コロナが夏の最低点を過ぎて今年の秋と冬に再び拡散し、1週間当たり3000人を超える死者が出る可能性があると予想した。

 数日前に室内マスクの着用の強制を中止したイスラエルでも、デルタ変異株の拡散に対する先制的防疫を強調している。ナフタリ・ベネット首相はこの日「感染率が高いデルタ変異株が全世界的に急速に拡散しており、イスラエルでも始まった」とし「やむを得ない状況でなければ海外に出ないでほしい。また室内で、特にベングリオン国際空港では必ずマスクをしてほしい」と注文した。

 すでに英国は、デルタ変異株の拡散で一日の新規感染者が一時1万人を超えるなど、新型コロナ感染者が急増したことから、予定されていたロックダウン緩和措置を4週間延期した。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1000531.html韓国語原文入力:2021-06-23 15:24
訳C.M

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