米国が日本政府による福島第一原発の放射性物質汚染水の海洋放流決定を支持したが、当の米国は福島事故直後の2011年3月から現在まで10年にわたり事故現場付近で生産される農水産物の輸入を禁止していることが明らかになった。
15日、米食品医薬品局(FDA)のホームページを見ると、食品医薬品局は放射能汚染を理由に日本産製品の輸入を禁止する輸入禁止令 99-33(Import Alert 99-33)を発令した状態だ。
この禁止令は、福島原発事故直後の2011年3月に出され、3月4日にも継続更新された。日本政府の汚染水放流決定が下される40日余り前だ。
禁止令は、具体的に輸入禁止地域と農水産物100種あまりを規定している。禁止地域は福島をはじめ青森、千葉、群馬、茨城など14カ所に達し、地域ごとに禁止製品が具体的に列挙されている。牛乳、野菜、キノコ、牛肉などの農産物をはじめ、サケやウナギなどの水産物が含まれている。禁止令には、日本政府がこの間に取った農水産物の流通禁止と解除措置が具体的に盛り込まれているが、クロソイ、タラ、貝などが含まれている。
米食品医薬品局は禁止令で「物理的検査をせずに福島などの(特定製品を)留置できる」と明らかにした。食品医薬品局の輸入禁止令は「食品・医薬品・化粧品法」に基づくもので、これに該当する製品の場合には検査をせずに留置されたり輸入が拒絶されうる。
食品医薬品局は「これらの製品が米国の消費者に健康上の危険を招かないよう日本政府と持続的に協力する方針」としつつ「放射能汚染による公衆保健上のリスクを監視し続けるものであり、適切な時期に輸入禁止令を解除するだろう」と明らかにした。