米国政府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月5日、平壌(ピョンヤン)に対北朝鮮特別使節団を送ることにしたことについて、「南北関係の進展は非核化の進展と歩調を合わせて行われなければならない」という従来の立場を再確認すると共に、成り行きを静観している雰囲気だ。対北朝鮮特使団の今回の訪朝と今月中旬の南北首脳会談で、北朝鮮の非核化問題も重要に取り上げられるべきということだ。
国務省報道官室関係者は31日(現地時間)、韓国政府の対北朝鮮特使団派遣計画に対する立場を尋ねる外国メディアの質問に対し、「米国と我々の同盟である韓国、日本は、統一された対北朝鮮対応に対する緊密な調整に専念している」として、こう話した。
国務省は「文在寅大統領が明らかにした通り、南北関係改善は北朝鮮の核開発問題の解決と切り離して進められるものではない」と繰り返し確認した。そして、「マイク・ポンペオ国務長官が7月のアジア歴訪期間に明らかにしたように、我々は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が同意した通り、最終的かつ完全に検証された北朝鮮の非核化(FFVD)を達成するため、北朝鮮に対する外交的、経済的圧迫を維持していかなければならない」と話した。
米国務省は6・12朝米首脳会談後、非核化と終戦宣言をめぐり、北朝鮮と水面下の接触を進める一方、公開的に「南北関係の進展は非核化と歩調を合わせて行われるべき」という立場を表明してきた。先月、南北が高官級会談で「9月中に平壌で第3回南北首脳会談」を行うことで合意した際にも、国務省はこのような立場を発表した。国務省は特に「南北関係の進展と非核化が別々に進むことはできない」という文大統領の発言を想起させ、南北それぞれに非核化の圧力をかけている。
北朝鮮は朝米関係改善に向けた第一歩として、まず朝鮮半島終戦宣言を行うことを要求しているが、米国は北朝鮮が非核化に向けた具体的措置を先に取ることを主張しており、対立を続けている。米国は最近、韓国政府に開城の南北共同連絡事務所の設置など南北関係改善の“スピード調整”を直接・間接的に要求したが、第3回南北首脳会談については、南北が合意した事項であるだけに、開催に反対しなかったという。