原文入力:2009-09-03午後11:49:24
鳩山の新外交構想は?
論文で‘アジア単一政治・経済圏’主張
“北韓・中国など非核化ための布石”分析も
キム・トヒョン記者
←鳩山由紀夫日本民主党代表が3日、東京の民主党本部事務所でジョン ルーズ駐日米国大使と話を交わしている。 東京/AP連合
来る16日総理に就任する鳩山由紀夫日本民主党代表の‘脱アメリカ 東アジア共同体’構想が米国をはじめとする国際社会で大変な関心を集めている。
鳩山代表の東アジア共同体構想は総選挙が真っ最中の先月、日本雑誌<ボイス>に載せられた‘私の政治哲学’という題名の論文で表面化した。当時は特別な反応がなかったが、先月28日<ニューヨークタイムズ>が一部の内容を抜粋報道し、米国と日本保守派らの間で“反米ではないか”という憂慮の声が溢れでている。米国内の知日派さえ鳩山代表に対して「対米重視から抜け出しアジア関係を優先させる‘脱米入亜’の人物ではないか」という疑いのまなざしを送っていると知られた。
鳩山代表の論文は反米とまではいかないが、日本政治指導者としては類まれな大胆な米国批判を展開し、東アジア共同体創設を一つの国家目標として提示している。鳩山代表はこの文で「冷戦後、日本は米国主導のグローバリズムという名前の市場原理主義に巻きこまれてきた」として「今回の世界経済危機はアメリカ的自由市場経済が普遍的で理想的な経済秩序という思考によって引き起こされたもの」と批判した。
彼は‘日-米安保体制’が今後も日本外交の礎石だという点を強調しつつも「今回の米国の金融危機は多くの人々に米国一極時代の終焉を予想させ、ドル基軸通貨体制の永続性に対する疑問を抱かせた」とし、東アジア共同体を創設し究極的にはアジア共同通貨実現の必要性を強調した。
地域間経済協力だけでなく冷戦以後に激化しているナショナリズムを克服し安全保障の枠組みを作るためにも東アジア共同体が必要だというのが彼の主張だ。「覇権国家を持続しようとする米国と覇権国家を狙う中国の間に挟まった日本をはじめとしてアジア中小国家が政治的,経済的自立を維持しようとするのは地域間統合を加速化する重要な要因だ。」
日本の中で東アジア共同体構想は今回が初めてではない。2005年1月小泉純一郎当時総理も唱えた。しかし‘親米-アジア軽視外交’で一貫した小泉総理の東アジア共同体構想は多分に中国牽制という目的を帯びた案だったという点で鳩山構想とは次元が違う。
鳩山構想のまた別の背景には、窮極的に日本,韓国,北韓,中国など東アジアの非核化を実現するための布石が敷かれていると知られた。先に韓国,中国との協力体制を構築し、北韓核問題を解決しこれを基礎に東アジア全体の非核化を狙っているという分析だ。民主党が靖国神社代替施設を公約したのも周辺国との摩擦の火種をなくすための戦略だという指摘だ。
木宮正史東京大教授(韓国政治)は<ハンギョレ>との通話で「米国で(鳩山構想を)厳しい目で見ているのは、沖縄普天間基地移転再協議を主張する民主党を牽制するためのものと見られる」として「民主党政権は当分国内改革問題に重点を置くほかはないため東アジア共同体を本格的に推進することは難しいだろう」と見通した。東北アジア共同体を主に主張している和田春樹東京大名誉教授(ロシア史・韓半島)は「鳩山代表の構想には米国が抜けていて実現は難しいと見られる」としつつ「韓国も米国抜きでは動きにくいのが現実であるので米国とロシアまで含めて推進するのが現実的」と話した。
東京/キム・トヒョン特派員aip209@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/374790.html 訳J.S