世界的な「イルカ漁場」で環境紛争地域となってる日本の和歌山県太地町で、今年初の捕鯨が始まった。
太地のイルカ漁を現場でモニタリングしている環境団体「ドルフフィン・プロジェクト」は9日、「コビレゴンドウ21頭が死んだことで、今年の初の捕鯨が終わった」と明らかにした。
日本の太地では毎年9月から翌年4月まで大規模なイルカ漁が行われる。いわゆる「追い込み漁」(drive hunt)で、イルカを太地町の入り江に追い込んで捕獲するものだ。海に出た漁船から漁師たちが鉄棒を海水に入れてハンマーで叩くと、衝撃によって音波の壁が作られる。音波で位置を把握するイルカたちは混乱に陥って陸地の方へと方向を変えようとし、漁師たちは網で入り江を防ぐことでイルカを捕獲する。イルカは銛で現場で屠殺されるが、このうち“商品価値のある”子供のイルカは全世界の水族館に約1億ウォン(約950万円)で売られる。現在では、中国やメキシコ、ロシアなど約18カ国の水族館に“太地出身”のイルカがおり、国内には蔚山(ウルサン)クジラ生態体験館など、水族館5カ所に太地出身のバンドウイルカがいる。
この3年間、持続的に減少した太地のイルカ捕獲クオーターは2017~18年シーズンには1940頭で、昨年に比べ120匹増えた。捕獲可能なクジラの種類も、コビレゴンドウクジラ、バンドウイルカ、カマイルカなどを含めた7種に、シワハイルカ、カズハゴンドウを加えた9種類になった。
イルカ漁をモニタリングしているドルフィン・プロジェクトは、3日目の9月5日まで傷を負った子供のイルカ1頭を含め、計21頭ものクジラが死んだと明らかにした。入り江の浅い海で屠殺が行われる一方、コビレバンドウ3頭は生きたまま捕獲されたと伝えた。このコビレゴンドウらは水族館の展示・公演用に販売される。その後、残りのコビレゴンドウ20頭は海にかえされた。
日本の太地町のイルカ漁は毎年9月から始まって翌年4月まで続く。環境団体は太地のイルカ漁の残忍さを批判し、毎年9月1日を「日本イルカの日(Japan Dolphins Day)」に決めてイルカの虐殺の中断を求める運動を展開している。2015年5月、日本動物園水族館協会(JAZA)は太地で捕獲されたイルカの水族館への搬入を中止すると宣言した。しかし、太地漁民たちは彼らの伝統であるイルカ漁を止めないという立場だ。また、日本の一部の水族館も最近、太地で捕獲されたイルカを購入するため、次々と動物園水族館協会を脱退した。
太地でイルカ漁をのモニタリング活動を行っている活動家たちは、沖合でイルカが捕獲され入り江で殺される日を「レッドデー」と呼ぶ。イルカの捕獲に失敗した日は「ブルーデー」だ。ドルフィン・プロジェクトは9日「今朝船が出たが、手ぶらで帰ってきた。ブルーデーを宣言する」と話した。