米国外交の総司令塔であるジョン・ケリー国務長官が27日、中国を訪問する。今月末や来月初めに発表される見込の国連安全保障理事会(安保理)対北朝鮮制裁決議を控えて、米国が制裁レベルの鍵を握っている中国に対し、圧迫と説得を並行して“総力戦”を繰り広げるものと思われる。
米国務省は15日(現地時間)、ケリー長官が27日に中国を訪問する計画だと公式発表した。トニー・ブリンケン国務省副長官が20〜21日に訪中し、張業遂・中国外交部筆頭外務次官と北朝鮮核問題を協議する計画を明らかにした翌日のことだ。米国外交の総司令塔である国務長官と国務省“ナンバー2”の副長官が、1週間間隔で特定の国を訪問することは、極めて珍しい。これは、北朝鮮の4回目の核実験後、バラク・オバマ米大統領と習近平・中国国家主席の電話会談が実現していない状況で、高位級当局者を直接北京に送り、中国に強硬な対北朝鮮制裁への参加を促すためのものと見られる。
ケリー長官は、スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)年次総会に出席した後、ベトナム、ラオスなどを経て、中国を訪問する。ケリー長官は訪中の過程で、中国側のパートナーである楊潔篪・外交担当国務委員と王毅・外交部長に会い、国連安保理による対北朝鮮制裁案を最終調整するものと予想される。ケリー長官が習主席と面会できるかどうかに注目が集まっているが、現在の中国の雰囲気からして、可能性は高くないと思われる。
これに先立ち、韓米日3カ国は16日、東京で外交次官協議会を開き、「強力かつ包括的な国連安保理決議を速やかに採択するために、3カ国の外交力量を結集していくことにした」とイム・ソンナム外交部第1次官が明らかにした。ブリンケン副長官は、協議会後の共同記者会見で、「南シナ海の明確かつ予測可能であり、拘束力のある規則を定める行動規範が結論を結ぶことを期待する」と述べた。南シナ海をめぐる紛争が最近あまり緊迫した状況にないにもかかわらず、ブリンケン副長官が北朝鮮の核問題と直接関係のない南シナ海問題を言及したのは、対北朝鮮制裁と関連し、中国を圧迫する“切り札”として使う可能性を示唆したものと分析される。
一方、北朝鮮外務省は報道官談話で「米国の合同軍事演習の中止を条件に核試験を中止する提案と、平和協定締結の提案を含め、すべての提案はまだ有効である」と発表したと、労働新聞が16日付で報じた。北朝鮮は談話で「核攻撃能力と核報復能力を至る所で備える」としながらも、「今年最初の課題は、経済発展と人民生活の向上であり、そのために、私たちは、情勢の安定と平和的環境を必要とする」と強調した。
韓国語原文入力:2016-01-17 20:01