中谷元・日本防衛相が4年ぶりに実現された韓日防衛相会談の背後に米国の圧力があったことを示唆する発言をした。これまで、今回の韓日防衛相会談の開催を、韓米日3カ国の安全保障協力を進める米国の要求によるものとする見方に信憑性を与える発言として注目される。韓国国防部は「米国の要求はなかった」と否定した。
中谷防衛相は30日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で別に行われた日米防衛相会談で、アシュトン・カーター米国防長官に当日行われた韓日防衛相会談の実現に尽力してくれたことに感謝するという意向を伝えた。彼はこの日、記者団に公開された冒頭発言で「最近(カーター長官が)日本を訪問し、韓国も訪問して、韓国防衛相に会いたいという私からのメッセージを伝えてくださった」とし「今日それが実現され、また韓日米防衛相会談まで開催できた点において、カーター長官の努力に感謝する」と述べた。
カーター長官は先月初め、日本を経て韓国を訪問した。中谷防衛相のこの日の発言は、当時の状況を指したものと見られる。当時カーター長官は、日本で安倍晋三首相と中谷防衛相に会った後、ソウルに来てハン・ミング国防長官と韓米防衛相会談を行い、大統領府も訪問した。
韓国は2011年1月、キム・グァンジン国防長官と北沢俊美・防衛相の韓日防衛相会談以来、過去の歴史問題などを理由に日本の会談開催の要求を拒否してきた。米国当局者は、このような状況について様々な機会を通じて不満を示し、韓日関係の改善を求めてきた。韓米日3角安保協力体制の構築で浮上する中国を牽制しようとする米国の北東アジア戦略に、韓日関係の悪化が障害になるからだ。そのため、今回の韓日国防長官会談で、米国の圧力が重要な役割を果たしたはずというのが大方の予想だった。中谷防衛相のこの日の発言は、事実上、このような予想を確認するものである。
しかし、国防部はこれまで、米国の圧力説を否定してきた。今月21日、「韓日国防長官会談を30日に開催することにした」と発表する際にも、「韓国政府が主導的に決定した」と説明した。当時国防部当局者は、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)射出試験などを取り上げ、「厳重な安全保障の状況を考慮したものであり、日米防衛協力指針の見直し以降、私たちの安全保障と国益に影響与える可能性がある事案について、もっと実務的な議論を通じて確認する必要ある認識があった」と、韓日防衛相会談開催の背景を説明した。
国防部当局者はこの日、中谷防衛相の発言が伝えられると、「韓国国防部は、米国側のいかなる関係者からも韓日防衛相会談を開催すべきだという発言を聞いたことがない。ただし、韓日関係の改善について関心を表明したことはあった」と否定した。この当局者は「韓日関係の改善に対する関心の表明が具体的に何を意味するのか」という質問に「韓日防衛分野の協力が正常化されなければならないという意味だったと記憶している」と述べた。この当局者はまた、「日本側に中谷防衛相の発言の背景を問い合わせたら、『いかなる国も他の国と会談を行うように強要することはできない』と回答された」と付け加えた。
これと無関係に、中谷防衛相が公然とこのような発言をした背景にも、様々な憶測が飛び交っている。9選議員で自民党の重鎮である中谷防衛相が、政治的な意図を持って、韓国政府を困らせようとしたのではないかというものから、単純な失言に近いという見方まで出ている。国防部当局者は「中谷防衛相がカーター長官に挨拶代わりにそのような発言したものと理解している」と述べながらも、不快な表情を隠せなかった。
また、シャングリラ対話に参加した国防部の代表団は、基礎的な情報も把握できず、顰蹙を買った。国防部の関係者は、会議開幕日の29日、記者たちに「米国は今回のシャングリラ対話で韓国とだけ防衛相会談を行う。日本など他の国とは行わないと聞いている」と述べた。米国がいかに韓国を大切にしていることかを裏付けるものだという趣旨だった。しかし、カーター米国防長官はこの日、中谷防衛相と会談を開いたのに続き、オーストラリア、マレーシアなどとも防衛相会談を行った。また、日本、オーストラリアと3カ国会談も開催した。これについて国防部関係者は、「当初、米国と韓米防衛相会談の計画を議論する際、米国側が『カーター長官の日程がタイト過ぎで、韓国とだけ会談をする予定だ。韓国とは北朝鮮の脅威の増大などの懸案があるからだ』と伝えてきた」と釈明した。
韓国語原文入力: 2015-05-30 16:16