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[ニュース分析]キューバに続きイランで成果あげたオバマ米大統領、残る難題は北朝鮮

登録:2015-04-04 01:06 修正:2015-04-04 07:53
「イランの核交渉」妥結の意味と影響
バラク・オバマ米大統領が2日、ワシントンのホワイトハウスのローズガーデンで、イランの核交渉妥結と関連した声明を発表している。ワシントン/ AFP連合ニュース

 イランの核問題と関連し、米国など主要6カ国とイランが包括的合意案を作成したことで、バラク・オバマ米大統領が2009年の就任前に「敵とも握手する」と手を差し出した北朝鮮、キューバ、イランの3カ国のうち、北朝鮮だけ孤立状態のまま取り残された。オバマ大統領が北朝鮮とだけ関係正常化の糸口さえつかめない状況で、今回の交渉妥結が長期間にわたって膠着状態に陥っている北朝鮮の核交渉にも新しい風を吹き込めるかに関心が集まっている。しかし、北朝鮮との核交渉はイラン核交渉よりも技術的にもはるかに困難だ。北朝鮮の核をめぐる利害当事国の国内事情も複雑であり、現段階では楽観論より悲観論の方が優勢である。

 オバマ大統領は、執権2期に入ってから溜まっていた対外難題の解決に向けて積極的な「幅広外交」を展開してきた。イランの核問題については、2013年末から国内の強硬派とイスラエルの反対を押し切り、制裁から交渉に政策基調を確実に変えた。昨年12月にはキューバとの関係正常化交渉の開始を電撃的に宣言した。このような流れからすると、事実上来年末に任期を終えるオバマ大統領が「業績作り」の最終的な対象として北朝鮮に目をつけることも期待できる状況だ。

 キューバ続いてイランとも関係正常化
 「敵とも握手」外交修辞超えた実践

 北朝鮮はイランとは異なり
 核能力が高度化されているうえ
 体制保障手段として「背水の陣」

 THAAD配備・中国牽制などと関連し
 米国と北朝鮮との交渉再開には難関が多い
 探索的な対話試みる可能性も

 しかし、詳しく見てみると、イラン核交渉と北朝鮮の核交渉が置かれた条件や環境には相当な違いがあると専門家たちは指摘する。まず、交渉の面では、米国がイランと北朝鮮に支払わなければならない“対価の差”があまりにも大きい。イランはまだ核実験も行っていない状況なので、米国はイランの核プログラム凍結の見返りとして経済制裁を解除すれば十分である。

 これに比べて、北朝鮮はすでに核実験を3回も行うなど、核能力がかなり高度化されている。さらに、北朝鮮は核兵器を体制保障の手段としている。当然、北朝鮮が核放棄の見返りとして要求する「対価」も、イランより高くならざるを得ない。キム・ジュニョン韓東大学教授は「オバマ大統領の立場からすると、残り少ない任期中に実質的な核交渉の成果を生み出せるかどうか、懐疑的にならざるを得ない」と予想した。

 第二に、北朝鮮と米国の両方とも、北朝鮮の核問題を解決しなければならない国内の政治的需要がそれほど切実ではない。米国の政策決定者と専門家の間では、2012年の「2・29合意」の時「北朝鮮にしてやられた」というトラウマがまだ強く残っている。その上、イラン核問題合意案をめぐる共和党の批判やロシアとの対立などに対処に追われ、オバマ大統領が北朝鮮との新たな交渉に乗り出す政治的エネルギーも不足している。また、米国は北朝鮮の核問題をしばらく高高度防衛ミサイル(THAAD)の朝鮮半島配備や韓米日安保協力など、アジアでの中国牽制に活用する方向に重きを置いている。キム・チャンス コリア研究院長は、「米国の立場からすると、イランの核に比べて北朝鮮の核は解決すべき緊急の必要性があまりない」と診断した。

 最近北朝鮮は「先に核兵器を下ろすことは絶対ない」と強硬な立場を固守している。ただし、米国のマスコミと専門家の間で北朝鮮の核の高度化に対する懸念の声が高まっており、米政府が探索的な対話を試みる可能性は残されている。政府当局者は「北朝鮮がもっと積極的に交渉に乗り出す意思を示したら、米国政府がこれを拒む理由はない」と述べた。

イ・ヨンイン、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: :2015-04-03 19:32

http://hani.co.kr/arti/international/america/685415.html  訳H.J

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