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[現地ルポ]辺野古「テント村」で米軍基地移転反対の座り込みは続く

登録:2014-11-17 22:25 修正:2014-11-18 07:00
沖縄の北東側に位置した辺野古海岸で続けられている住民たちのテント座り込みが15日現在で3863日目を迎えた。 3・11福島原発事故を体験した東北地方の市民たちが応援しにこちらを訪ね、沖縄の米軍基地の実態に関する説明を聞いている。//ハンギョレ新聞社

猛暑の中でも3863日連座座り込み
海の地質を調査する艦艇と漁民たちは毎日海上で衝突
老人たちはキャンプ正門前の路上で「大浦湾を守ろう」と踊りながら叫ぶ

「あそこに拳のような岩が見えるでしょう。あそこがV字形の滑走路が始まる場所です」

 15日、沖縄の中心都市那覇から56号国道を北上した車は、1時間半程度走って島の北東側海岸である名護市辺野古に到着した。 11月の沖縄の太陽はまだ熱く、目の前の海はゆったりと波打ち、やわらかい青い光を放っていた。

 辺野古海岸で最も目立つ構造物は、静かな田舎の漁村の風景を侵している米軍基地の鉄条網だった。鉄条網の向こう側は、米海兵隊基地「キャンプ シュワブ」、そこから200メートルほど離れたところに沖縄米軍基地反対運動の中心である「沖縄テント」が立っている。在日米軍普天間飛行場の辺野古移転を阻止するためのテント座り込みが15日現在で3863日間続いてきたことを知らせる表示板がテントの前に立っている。

 座込み場で会った安次富浩 辺野古テント村村長(68)は、目の前に広がる風景を細かく説明した。

「あっちの海の上に突きだした岩から遠くのオレンジ色の2階建ての建物側に、長さ1800メートルの滑走路が作られます。 海側でところどころに浮かんでいる船は接近禁止区域であることを知らせる(日本の)海上保安庁の艦艇でしょう。 ここでは毎日、漁民と海上保安庁との衝突が続いています。”

 日本政府は今年の春から海岸埋立てのための海中地質調査を始めた。 しかし住民たちの抵抗と台風の影響で日程が遅れている。 沖縄を強打した相次ぐ台風で、政府が海上境界を示すために浮かべただいだい色の浮漂が切れて、こんがらがっている姿が目についた。

 辺野古を巡る住民たちの闘争が始まったのは1997年末から1998年初めに遡る。1996年12月、米日政府は沖縄米軍基地に対する怒れる民心をなだめるために「沖縄に対する米日特別行動委員会」(SACO)を作り、米海兵隊普天間飛行場など11の基地を返還するという報告書を出した。 報告書が出た後、米日政府が飛行場を国外ではなく沖縄県の辺野古海岸に移転するという計画が知らされる。 基地反対運動に参加してきた東恩納琢磨 名護市議員(52)は「基地移転を阻止するために名護市民は市次元の住民投票を行うと同時に、工事を阻止するための連座座り込みを始めた」と話した。 法的効力があるわけではないが、1997年12月の住民投票で住民たちは政府の経済支援策などを拒否して「基地移転反対」(52.8%)を選択した。 賛成派市長は結局辞退せざるをえなかった。

 今日も住民たちの連座闘争は飽くことなく続いている。辺野古の老人たちは40度を越える沖縄の猛暑の中でも座り込みをやめようとしなかった。 この過程で豊見山雅裕 沖縄・韓国民衆連帯代表(60)は疲労骨折で片足が使えなくなり、警察との小競合いの末に連行された市民の数は数え切れない。テントでは済州島の江汀(カンジョン)マウル海軍基地建設計画に反対する“守り人”カン・ドンソク氏(26)にも会うことができた。

 現在までに知らされた辺野古基地造成計画では、米日政府はV字形の長さ1800メートル滑走路2本の他にも、水深が深い大浦湾側に長さ271.8メートルの接岸施設も作る計画だ。 この規模であれば米軍の大型上陸艦が接岸できる。米国は普天間飛行場に配置されている米海兵隊の新型輸送機オスプレイ(MV-22)をこちらに移した後、港湾施設を活用して陸海空の合同作戦を準備できる複合基地として使おうとしていると見られる。

 午後3時、キャンプ シュワブの正門側にある別のテントで住民たちの抗議デモが始まった。「米軍基地反対」「大浦湾を守ろう」「珊瑚を守ろう」「ジュゴンを守ろう」。 沖縄のおばあさんがキャンプの正門前を通る392号道路に立ち並んで踊りスローガンを叫んだ。通りがかりの車が警笛を鳴らしてデモ隊に手を振った。 このような沖縄の民心は16日に行われた沖縄県知事選挙で「米軍基地反対」を掲げた翁長雄志候補(67)の当選につながった。

辺野古(沖縄)/文・写真キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/664888.html 韓国語原文入力:2014/11/17 20:19
訳J.S(2019字)

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