‘無労組経営’で悪名高い世界最大の流通企業ウォルマートが、労働者の団結権を組織的に侵害した事実を示す内部文書が公開された。 これに先立って米国連邦労使関係委員会(NLRB)は、法が保障したスト権を侵害したとしウォルマートを告発した。
米市民団体‘オキュパイ ウォールストリート’が16日(現地時間)に公開した2件の内部文書を見れば、ウォルマートは賃金引き上げと労働条件改善を要求する労働者の活動を監視し、労働者の組織化を多様な方式で妨害していた。
13ページからなる最初の文書は、2011年6月から本格的活動を始めたウォルマート非正規職労働者の連帯組織である‘私たちのウォルマート’(forrespect.org)に対する非難で満たされている。 ウォルマート側は文書で 「いわゆる‘私たちのウォルマート’は労働者を助けるために作った団体ではない。 この団体が一ヶ月に5ドルずつ集めた会費は、食品・流通業労働組合国際連盟(UFCW)側に流れ、会社に損害を与えるのに使われている」と主張した。 ‘私たちのウォルマート’は、まだ労働組合の地位を得られていない。
‘ウォルマート労使関係訓練’というタイトルの2番目の文書は39ページ分量で、管理職幹部を対象に作成された一種の‘教育用’資料だ。 ウォルマート側は資料で "労働団体がウォルマートに労働組合を作ろうとするのは、賃金が安いからでも、労働条件が悪いからでもない。 ウォルマートに雇用された労働者があまりにも多いために、組合費を狙って組織を作ろうとしている」と主張した。
文書は特に労働組合設立の動きに対する直接的な干渉と監視・威嚇などの行為が‘不法’であることを想起させ、法網を避ける‘行動指針’を提示した。 労組関連活動に干渉する代わりに関連内容を‘共有’し、動きを‘把握’し、積極的に‘意見’を提示しろとのしている。 ‘早期警報’体制を構築して、賃金・労働条件に不満を提起するなど労組設立に関連した‘疑わしい行動’が目につけば、直ちに社内‘ホットライン’で申告するようにした。
韓国の中央労働委員会格である米連邦労使関係委員会は15日(現地時間)、ウォルマートが法の保障している労働者のスト権を侵害した疑いで告発したと明らかにした。 労使関係委はウォルマート側が△労働者の正当なストライキの動きに不当な威嚇を加えたし△ストライキとデモ参加労働者に不当な懲戒を下し△労働組合関連活動を行った労働者を監視・威嚇・懲戒したと指摘した。
‘私たちのウォルマート’所属労働者は、昨年11月29日いわゆる‘黒い金曜日’に合わせて‘生計賃金’保障と労働条件改善を要求して米全域13州でストライキを行った。 ‘黒い金曜日’は収穫感謝祭休暇以後の最初の金曜日であり、米国でショッピング客が最も多く集まる日だ。 これと関連してウォルマート側は、当時言論インタビュー等を通して 「(ストライキを行えば)それに相応する代価を払うことになるだろう」と労働者を威嚇した。 実際、ストライキ以後に解雇19人を含め計60人余りを懲戒した。
現行の米連邦最低賃金基準は2009年7月に決まった時給7.25ドルだ。 米議会は2016年までに最低賃金を段階的に10.10ドルまで引き上げる方案を検討している。 ‘私たちのウォルマート’側の資料を見れば、米全域の4600余店舗で仕事をする140万人余りに及ぶウォルマート労働者の平均時給は8.81ドルだ。 非正規職が絶対多数であるウォルマート労働者の相当数が連邦政府の‘食料品補助金’(フード スタンプ)支援を受けている。
チョン・インファン記者 inhwan@hani.co.kr