原文入力:2011/07/12 09:54(1875字)
チョン・ウンジュ記者
貨物車需給調節・中小企業適合業種指定‘衝突’
企業型スーパー制限法も摩擦…投資家提訴 可能
韓-米自由貿易協定(FTA)が発効されれば貨物車総量制、中小企業適合業種選定、企業型スーパーマーケット(SSM)規制など政府の公共政策に続々とブレーキがかかるという憂慮が提起されている。これに先立ち政府は4大河川工事で供給過剰に至った掘削機の新規登録を制限する‘建設機械需給調節’政策を韓-米自由貿易協定と衝突するとし放棄した経緯がある。
政府が需給調節政策をとっているまた別の品目は運送用貨物車だ。貨物車運送業の場合、1999年に登録制に転換され供給過剰(38万台)にいたり、出血競争が激化したとして政府が2004年に貨物車の増車を制限する‘貨物車総量制’を導入し現在まで施行している。
問題は建設機械需給調節制度のように、韓-米自由貿易協定で貨物車運送サービスを原則的に開放したという点だ。 建設機械需給調節政策に対する外交通商部の担当責任解釈をそのまま貨物車総量制に適用すれば、わが国政府が貨物車新規登録を許可せず米国企業が運送事業進出において実質的制限を受ければわが国政府を相手に通商紛争を提起する可能性がある。特に全国経済人連合会などは貨物車総量制が競争を制限する不公正規制だと批判してきた。
政府と国会で推進中の‘中小企業適合業種および品目指定制度’は2006年に廃止された中小企業固有業種制度を復活させる内容だが、韓-米自由貿易協定が発効すれば韓国市場進出を阻む‘非関税障壁’と解釈されうる。与野党の議員38人が国会に出した中小商人適合業種保護法を見れば、中小企業庁長が中小企業適合業種を指定すれば事前承認のない限り大企業は該当業種の事業を取得したり開始できないようになっている。しかしこれは完全な市場開放と投資家保護を約束した韓-米自由貿易協定と衝突するというのが専門家たちの指摘だ。
←中小商人興し‘妙案検索’ソン・ハクキュ民主党代表(右端)が11日午後、国会党代表室で開かれた中小商人保護のための対策懇談会で発言している。タク・キヒョン先任記者 khtak@hani.co.kr
通商法専門家であるソン・キホ弁護士は「万一、中小企業ではないという理由で米国企業の適合業種進出を阻めば、それは韓-米自由貿易協定で保障した‘公正・公平な待遇’と‘国際慣習法にともなう待遇’を受ける権利(11.5条)を侵害すること」と主張した。特にサービス分野を適合業種に指定すれば‘経済的需要審査でサービス供給を制限する行為を禁止する’という協定12.4条と正面から矛盾することになる。これに対し外交部は「(中小企業適合業種の)詳しい内容が確定していない状況で韓-米自由貿易協定内容との関連性を検討するのは困難」として明確な立場を明らかにしていない。
韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定と衝突する企業型スーパーマーケット規制法は韓-米自由貿易協定とも摩擦を起こす。国会が伝統市場から‘1km以内’に企業型スーパーマーケットの開店を制限する内容の関連法を通過させたが、韓-ヨーロッパ連合、韓-米自由貿易協定では流通市場を無条件に全面開放しているためだ。
大企業、大資本の利害関係を規制するこのような公共政策は、韓-米自由貿易協定で導入した投資家-国家提訴制(ISD)で無力化されかねない。投資家-国家提訴制は投資家が相手国の政策・法律により損害を被ったとし国際投資紛争解決センター(ICSID)に仲裁を申請し賠償を受けることをいう。通商法専門家は 「投資家-国家提訴を引き受けた仲裁部は韓国の裁判官ではなく、米国法の影響を多く受けた国外法律家により構成されており、投資家が仲裁部構成に50%の影響力を行使し、わが国政府の政策と国会の立法を無力化する可能性が高い」と指摘した。仲裁人3人は投資家とわが国政府が各1人ずつを選び、二人の仲裁人が合議し残り1名を選定する。実際に昨年まで国際投資紛争解決センターなどで終結した197件の投資家-国家提訴事件の内、投資家が勝訴したり合意し相手国から補償を受けたケースが60%に達する。
チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/486847.html 訳J.S