「AIバブル論」が頭をもたげ、韓国内外のビッグテックと技術株の株価が連日大きく揺れている。新しい巨大産業の生成初期には、過剰投資を巡る議論や多様な形態のバブルは常に存在した。インターネット時代が始まった1990年末~2000年代初めにも「ドットコムバブル」の中で多くの企業が興亡盛衰した。AI産業の高速疾走は正常速度を超えたのだろうか。過去のドットコムバブル期とは何が同じで何が違うのか。
AIバブル論は「過剰投資」への懸念から出発する。2023年にチャットGPTが初めて世の中に現れて以後、全世界の主要ビッグテックは天文学的な資金をAIデータセンターとクラウドに注ぎ込んでいる。ブルームバーグの集計によると、今年の主要ビッグテックのAIインフラ投資(資本支出基準)は約3200億ドルで、2023年(1510億ドル)に比べて2倍以上増えた。AIインフラ投資は2031年に1兆ドルを超えるとの展望だ。ビッグテックのインフラ投資だけでなく、ベンチャーキャピタルのAIスタートアップ投資も過去最大だ。昨年、年間1000億ドルを超えた。
まだ明確で安定的な収益を出すAIサービスが多くない状況で、金融市場の参加者たちは天文学的な投資に疑問を提起する。チャットGPTを開発したサム・オルトマン氏が8月に「AIにバブルがある」と言及し、疑問が次第に大きくなったが、AI企業の株価はこの間まともな調整なしに高値を続けてきた。
いくつかのAI企業の株価収益比率(PER)などバリュエーションは非常に高くなった状態だ。端的な例として、パランティア・テクノロジーズの12カ月予想株価収益率は200倍を上回る。企業業績に比べて株価が過度に高いという話だ。AI企業が牽引する米国証券市場でも同様に高評価への懸念が出ている。証券市場の過熱度合いを示す「シラー指数」はドットコムバブル以後最も高い水準であり、S&P500の銘柄の帳簿価値に対する時価総額比率は5.3倍で、2000年のドットコムバブルの時(5.1倍)より高い。
国際通貨基金(IMF)は先月、世界金融安定報告書で「AI大型株の時価総額の集中度が甚だしい」として「(技術株の)収益が高い価値を正当化できなければ、急激で突然の調整が起きる可能性がある」と警告した。最近、米マサチューセッツ工科大学(MIT)は「生成AI導入企業の95%が投資収益を出せなかった」という分析を出した。
ドットコムバブルの時に盛んだった「危険な取引」も再登場した。今年9月、オープンAIはエヌビディア(NVIDIA)から最大1000億ドルの投資を受け、データセンターを構築すると発表した。資金の潤沢な供給会社(ベンダー)から資金を調達する循環投資(ベンダーファイナンス)だが、ドットコムバブル当時に資金調達が行き詰まったインターネット・通信新生事業者の間で流行した。当時、資金を融資したシスコ、ルーセント、ノーテルなどの通信装備企業は、バブル後に貸した資金の相当額を損失処理し、多くの企業が破産した。AI産業の収益性が鈍化した場合、このような取引が企業間のリスクを拡散させるという懸念が提起されるのもそのためだ。
ウォール街ではAI投資はドットコムバブルの時とは違うというのが主流的見解だ。まず、AI企業が実質的な売上を上げているという点だ。オープンAIの場合、利用者数が7億人で、月売上10億ドルを突破し、パランティアは今年に入って商業部門の売上が前年対比93%も増えた。ドットコムバブル当時、多くのインターネット企業がまともな売上や利益なしにバラ色の展望で市場に進入した時とは違うということだ。米国の投資銀行ゴールドマンサックスは「AI産業はインフラの性格を帯びる巨大言語モデルに対する投資から、アプリケーションなどのサービス開発段階へと重心が移動している」として「自動車・金融・医療などの実物経済で実用的活用先が多いという点で、収益のない期待株に投資したドットコムバブルとは本質的に違う」と評価した。
ビッグテック中心のAIインフラ投資は、グラフィック処理装置(GPU)やデータセンターなど実際の需要増加に基づいたものであり、莫大な投資にもかかわらずビッグテックのマージンやキャッシュフローは良好で、実績とファンダメンタルが後押しされているという点も強調する。一部のAI企業を除いてグーグルやメタなど主要ビッグテックの株価収益比率は23~28倍水準で、100倍を上回った過去のドットコム企業とは異なり「健全な高評価」(フィナンシャルタイムズ)という評価も出ている。
韓国投資証券は最近の報告書で「過去のインターネット時代が通信網(インフラ)→スマートフォン(ハードウェア)→アプリケーション(ソフトウェア)段階につながったように、現在のAI産業はまだ産業生成の初期段階」だとして、「クラウドおよび巨大言語モデルのクオリティが高まり普及が始まる現時点で、バブルはビッグテックよりは一部のスタートアップに起きている可能性がある」と分析した。