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コメと牛肉の代わりにリンゴ?…韓国政府、米農産物への非関税障壁下げるか

登録:2025-08-04 06:48 修正:2025-08-04 07:56
韓国リンゴ連合会、韓国果樹農協連合会などの所属農民たちが7月31日、政府世宗庁舎の産業通商資源部前で開かれた「米国産リンゴ輸入反対国民大会」で、米国産リンゴの輸入を決死反対するという氷割りパフォーマンスを繰り広げている/聯合ニュース

 韓国政府は韓米関税交渉でコメと牛肉の追加開放を阻止したが、検疫手続きの改善を今後の協議事項として言及したことを受け、農業界はリンゴなど一部の米国産農産物に対する検疫手続きの緩和で輸入が拡大する可能性があると懸念している。

 ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は先月30日(現地時間)、米ワシントンD.C.の韓国大使館で「韓米通商協議結果ブリーフィング」を開き、農畜産物に関して「さらなる市場開放はしないことで合意した」と述べた。ク副首相は「会談でトランプ大統領も果菜類に対する韓国の検疫手続きについて質問するなど、多くの関心を表明した」とし、「非関税障壁と関連し、検疫手続き改善など技術的事案については今後協議していくことにした」と語った。

 農産物の輸入における検疫は、韓国を含め世界各国が国際植物防疫条約(IPPC)によって病害虫の危険評価、危険管理方法の作成など8段階で進められる。これを省略したり簡素化することはできないため、ク副首相が言及した「検疫手続きの改善」は実務で各段階にかかる時間を減らす案を話し合おうというものとみられる。農林畜産食品部の関係者は「8段階の検疫過程と段階別に定められた手続きを変えることはできないが、技術的に関連書類や情報を共有し、協議する時間を減らすことはできる」と説明した。ソン・ミリョン農食品部長官も、1日の国会法制司法委員会全体会議で、与野党議員らの質疑に「検疫手続きと関連して『改善』という表現は意思疎通を強化するという意味であり、8段階の検疫手続きの科学的な力量向上を強調するものだと判断している」と答弁した。

 リンゴや梨、桃、遺伝子組み換え農作物(LMO)などは、すでに市場が開放され、検疫手続きや安全性評価を経て輸入が可能だ。しかし、リンゴや梨、桃などは検疫手続きを完了した国がなく、国産だけが流通している。米国も1993年にリンゴ、1994年に梨などの検疫を韓国に申請したが、それぞれ8段階のうち第2段階と第3段階などにとどまっている。食用遺伝子組み換え農作物のジャガイモの場合、農村振興庁が3月に「適合」判定を下し、食品医薬品安全処の安全性検査手続きだけが残っている。

 農業団体は輸入拡大を懸念している。韓国後継農業経営人中央連合会は先月31日、声明を発表し、「非関税障壁の撤廃は国内の農業生産に否定的な影響を及ぼすだけでなく、消費者の食べ物の安全も深刻に脅かされる事案であり、慎重なアプローチが必要だ」と主張した。同日、韓国リンゴ連合会などは政府世宗庁舎前で、「米国産リンゴ輸入反対国民大会」を開き、「米国産リンゴの輸入を絶対に容認できない」と強調した。

 全北大学のペク・スンウ教授(農業経済学)は、「これまで韓国政府は、リンゴなどが輸入されないように、検疫をはじめとする非関税障壁を強化してきたが、これに不満を持った米国が非関税障壁を緩和し輸出品目を増やそうとしているものとみられる」と語った。

キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1211339.html韓国語原文入力: 2025-08-03 18:03
訳H.J

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