米国の対中国関税引き上げで、韓国の対中輸出は3%程度減少したとの分析が出た。
韓銀は26日に発表した報告書「サプライチェーンの連係性を考慮した対中国輸出評価と示唆点」で、2010年代半ば以降の対中輸出と輸出連係生産の増加傾向の鈍化要因を分析した。対中輸出は商品・サービスの直接輸出額であり、輸出連係生産は中国の最終生産で誘発されるすべての段階の韓国国内での生産額だ。
韓銀の分析によると、2018年の米国による対中関税引き上げ(平均関税率3%→12%)措置は、韓国の対中輸出(輸出連係生産)を3%ほど減少させた。米中通商摩擦とこれにともなうサプライチェーンの変化で、中国の対米輸出と韓国製品の輸入依存度が同時に減少した影響だという分析だ。
報告書は、米国のバイデン政権が最近発表した通り、対中国関税をさらに引き上げ(品目により25%~100%)、欧州連合(EU)がこれに参加する場合、韓国の対中輸出は最大5%ほど減ると推定した。もしドナルド・トランプ共和党候補が公約として掲げた関税引き上げ(すべての中国輸入品に60%)が現実化すれば、韓国の対中輸出は6%以上減少すると分析した。この場合、中国と韓国の国内総生産(GDP)がそれぞれ2.5%、1.0%減少するとみ見た。報告書は「米中摩擦が中国製品に対するグローバル需要と生産構造変化の側面で共に否定的に作用し、韓国の対中輸出をさらに萎縮させている」と診断した。
報告書は、中国の中間財自立度の向上と生産基地の東南アジア移転など、生産構造の変化によって、対中輸出は過去のような好調を期待することが難しいとみた。対中輸出連係生産は2000年以降、韓国の年平均GDP比1.3%、2010年以降も0.9%増加してきた。しかし、2006年以降は、生産構造の変化がマイナス要因(-0.7%)となり、対中需要の増加効果(+1.6%)を低下させているという。1990年代後半の繊維・衣服、2000年代の化学・鉄鋼、2010年代の石油製品に続き、最近では情報技術(IT)産業でも対中輸出連係生産が構造的下落傾向に入ったと報告書は分析した。