米国が中国製のコネクテッドカーの規制に乗り出し、韓国の完成車業界が「規制範囲」に神経を尖らせている。コネクテッドカーとは、車をインターネットに接続して提供する事実上すべてのサービスを指す。広範囲なだけに、「中国製」だけを切り離して排除することは容易でない状況だ。韓国政府と韓国国内の業界は、範囲を限定してほしいという意見書を米政府に提出した。
米国のジーナ・レモンド商務長官は8日(現地時間)、ロイター通信のインタビューで「中国製のコネクテッドカーに対して輸入禁止など極端な措置を取ることがありうる」と述べた。中国の技術・部品を使ったコネクテッドカーは輸入を制限しうるという意味だ。米国が中国製のバッテリーや電気自動車を牽制するインフレ抑制法(IRA)に続き、中国製の「スマートカー」の成長を阻む通商政策を検討し取り組んだものとみられる。
韓国の完成車業界は規制範囲を懸念している。自動車に情報通信(IT)技術を適用したものがコネクテッドカーであり、その範囲が非常に広いからだ。スマートフォンのアプリケーション(アプリ)と車載インフォテインメントシステムでリアルタイム走行経路を探索し、遠隔でエンジンをかけるなどはコネクテッドカーの基本機能だ。車両整備関連ソフトウェアを無線でアップデート(OTA)することもコネクテッドカーの機能の一つだ。このようなコネクテッドカーは、別の車を購入するのではなく、メーカー別のサービスに加入した後にスマートフォンのアプリなどをダウンロードすれば、ほとんどの機能を利用できる。昨年3月基準でコネクテッドカー機能を使用している韓国国内の車両だけで708万台に達する。総自動車登録台数(2575万台)の27.5%にのぼる。
最近発売されたほとんどの車が規制範囲に吸い込まれかねないという心配が出てくるのもそのためだ。ある完成車業界の関係者は、「コネクテッドカーは大きな概念であり、様々な機能があるが、それを実現する技術と部品に中国製があってはならないなら、ボルトなどの小さな部品までも中国製のものを使うなということだ。ほとんどの車が米国への輸出制限にかかるだろう」と懸念を示した。IRAの中国産バッテリー鉱物および部品使用禁止のように規制範囲が具体的でないという話だ。
韓国政府と韓国の業界は、急いで米国政府に意見書を伝達した。韓国政府は先月30日、米商務省に「コネクテッドカーの定義と範囲が広すぎて、最近市場で発売されたあらゆる種類の車両が該当する。細かい定義を下してほしい」と要請した。現代自動車グループと韓国自動車モビリティ産業協会も「コネクテッドカーには配線やボルトなど多様な部品が入る。一部のハードウェア・ソフトウェアに限定してほしい」という意見を出した。米国は意見収集と調査を経た後に規制水準を決める予定だ。