韓国の輸出が1月に続き2月にも減少した。昨年10月以来5カ月連続で減少傾向が続いている。貿易収支は12カ月連続で赤字を記録した。
産業通商資源部が1日に発表した「2月の輸出入動向(暫定)」によると、輸出は昨年同月に比べて7.5%減の501億ドル、輸入は3.6%増の554億ドルだった。このため、貿易収支は53億ドルの赤字を記録した。1年連続の貿易赤字は、通貨危機直前の1995年1月~1997年5月以来の最長記録だ。5カ月連続で続いた輸出の減少傾向も、2020年3~8月以来初めてであるほど異例のことだ。1~2月の累積貿易赤字は179億5000万ドルで、昨年の年間赤字規模(477億8500万ドル)の38%に達する。
産業部のイ・チャンヤン長官は「グローバルな景気減速に伴う主要国の輸入需要の減少と半導体価格の下落で、輸出減少傾向が続いている状況」だとし、「冬季需要に伴うエネルギー輸入が依然として大きな規模を維持し、貿易赤字が発生した」と説明した。さらに、産業部の分析によると、昨年2月の輸出が当月の過去最高実績(541億6千万ドル)を記録したことによるベース効果も輸出減少傾向に一部影響を及ぼしたという。
品目別では半導体輸出が42.5%も減少した。半導体業況の不振による価格下落のためだ。 韓国の最大の輸出品目である半導体輸出額は59億6千万ドルで、昨年2月に比べて44億ドル減。この月の全体輸出減少額(41億ドル)を上回る規模だ。ディスプレイ(-40.9%)やパソコン(-66.4%)など、ほかの情報技術(IT)品目の輸出も振るわなかった。石油化学の輸出は18.3%減。一方、自動車の輸出は47.1%増の56億ドルに達し、半導体輸出に匹敵するほどの実績を上げた。石油製品(12.0%)と二次電池(25.1%)も輸出増加品目に名を連ねた。
地域別では、中国への輸出が24.2%も減少し、減少幅が大きかった。対中輸出減少の流れは、昨年6月以来9カ月間続いている。産業部は「グローバルな景気減速で中国の輸出減少傾向が続いており、その影響で無線通信を除く多数の品目において対中輸出が減った」と明らかにした。品目別の対中輸出(2月1~25日)を見ると、半導体が39.0%減り、ディスプレイ(-43.5%)、石油化学(-29.5%)も大幅に減少した。同期間中、東南アジア諸国連合(ASEAN)に対する輸出は16.1%減少した。米国と欧州連合(EU)への輸出はそれぞれ16.2%と13.2%増加したことが分かった。インド(11.0%)と中東(20.2%)地域への輸出も増えた。
2月の輸入増加傾向は、やはりエネルギー部門から始まった。2月のエネルギー輸入は昨年同月より19.7%増えた。一方、エネルギー以外の輸入は1.5%減少した。産業部は「原油価格が下落した影響で原油輸入は若干減ったが、冬季の安定的なエネルギー需給のためのガス輸入が増えた」と説明した。
貿易協会のチョン・マンギ副会長は「輸出不振は上半期までは続く」という見通しを示した。SKハイニックスやマイクロンなど半導体メーカーの生産削減効果が現れるまでは、さらに時間がかかるという点を理由に挙げた。チョン副会長は「半導体需給調節の効果や、中国のリオープン(コロナ封鎖の緩和に伴う経済活動の再開)を考えると、5~6月頃から良くなるだろう」と予想した。
貿易赤字の累積について、チョン副会長は「赤字が多くなるのは当然良くないことだが、貿易規模における赤字比率を共に見るべきだ」と述べた。過去の通貨危機や石油危機の時は、赤字比率が全体貿易額の7~8%水準だったのに比べ、今は2%内外という説明だ。チョン副会長は「このような水準の赤字でも持続すると問題になるが、下半期の輸出回復を前提とするならば、今の貿易赤字規模そのものがマクロ経済の運用で大きな問題になっているとは思えない」と付け加えた。
韓国の輸出全般の流れに影響を及ぼす決定的な要因の一つである半導体価格の下落傾向について、産業部は「当分続く見込みだが、大手の投資縮小、新規サーバーCPUの需要などに後押しされ、下半期以降は持ち直す可能性がある」と予想した。産業通商資源部の資料によると、半導体製品の中でDRAMの固定価格は昨年1~4月の1個当たり3.41ドルから今年1~2月には1.81ドルへと大幅に下落した。NAND型フラッシュの固定価格は、昨年1~5月の4.81ドルから昨年10月~今年2月には4.14ドルに下がった。