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韓国人の黒字人生は34年間だけ…26歳までと61歳からは赤字人生

登録:2022-11-29 20:10 修正:2022-11-30 11:24
ライフサイクルの労働所得と消費を比べてみると 
42歳で所得ピーク、43歳で黒字ピーク
29日午前、ソウルの光化門交差点で市民が横断歩道を渡っている/聯合ニュース

 韓国の国民は27歳から労働所得が消費より多い「黒字周期」に入り、43歳で黒字がピークに達し、61歳から「赤字周期」に入ることが分かった。2020年基準で15~64歳の労働年齢層が出した161兆ウォン(約16.8兆円)の税金と社会負担金は、幼年層に78兆ウォン、老年層に83兆ウォン配分されたと集計された。

 韓国統計庁が29日発表した「2020年国民移転勘定結果」によれば、2020年の総消費は1081兆8千億ウォン(約112兆円)、労働所得は984兆3千億ウォン(約102兆円)で、合計97兆5千億ウォン(約10.1兆円)のライフサイクル赤字が発生した。全体の生涯消費から労働所得を引いたライフサイクル赤字は、1年前と比べると26.7%減少した。新型コロナの拡散によって民間教育消費を中心に民間消費が前年に比べ’5.5%減少した影響だ。2020年の自営業者の労働所得は21.4%も急減したが、賃金所得が2.5%増え、全体の労働所得は1.5%増えた。国民移転勘定は、年齢別労働所得、消費、公的移転、私的移転を把握できる指標で、世代間の経済的資源配分と再配分の状況を示している。

 1人あたりのライフサイクル所得と消費の流れをみると、韓国国民は0歳から26歳まで消費が労働所得より多い赤字だった。労働所得は少ないが教育消費が多い16歳で赤字が3370万ウォン(約350万円)となり、全年齢中で最大だった。27歳からは労働所得が消費より多い黒字周期に入り、42歳に労働所得が3725万ウォン(約387万円)で頂点に達する。43歳には生涯最大の黒字(1726万ウォン=約179万円)を記録し、徐々に黒字規模が減り、61歳からは再び赤字周期に突入する。最近10年間のライフサイクル黒字・赤字の流れを見ると、黒字進入年齢は27~28歳で一定に維持されている一方、赤字再進入年齢は2010年の56歳から2020年には61歳まで着実に遅れる傾向を示した。

 ライフサイクルによって発生した赤字は、公的・私的の所得移転を通じて充当される。労働年齢層(15~64歳)は、税金と社会負担金などで160兆6千億ウォン(約16.7兆円)の純流出が起きた。純流出とは、公的移転の流入から流出を引いた部分を指す。労働年齢層から集めた財源を、政府は教育・保健サービス、児童手当、基礎年金などを通じて幼年層(14歳以下)に77兆9千億ウォン、老年層(65歳以上)に82兆7千億ウォン配分したことが分かった。

 労働年齢層の公的移転純流出は、急激な高齢化の進行により毎年規模が拡大している。2010年までは労働年齢層の公的移転純流出は74兆1千億ウォン(約7.7兆円)水準だったが、2020年は160兆6千億ウォン(約16.8兆円)で、10年間で117%増加した。同じ期間の幼年層の公的移転の純流入は44兆7千億ウォ(約4.6兆円)から77兆9千億ウォン(約8.1兆円)へと74.3%増えたが、老年層の純流入は29兆4千億ウォン(約3兆円)から82兆7千億ウォン(約8.6兆円)へと181%増えた。

イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1069384.html韓国語原文入力:2022-11-29 19:06
訳J.S

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