「中国のバッテリーメーカーが、自国市場の保護を通じて獲得した体力を土台に欧州進出に乗り出し、中国外の市場占有率を急速に高めている。欧州市場で韓・中のバッテリーの本格的な勝負が繰り広げられるだろう」(韓国のバッテリーメーカー関係者)
LGエナジーソリューション(以下、LGES)が今年1~7月、中国を除く世界のバッテリーシェア1位を守ったが、中国のCATLが2倍の成長率を見せ、急追している。
5日、市場調査機関SNEリサーチによれば、今年1~7月に世界(中国を除く)の電気自動車に搭載されたバッテリー容量は105.5GWhで、昨年同期に比べ40.3%増加した。メーカー別では、LGESが18%増えた31.1GWhで1位を維持した。日本のパナソニックは、米国の電気自動車メーカーのテスラの物量のおかげで2位(20.6GWh)を記録した。中国のCATLは119.2%に達する成長率を記録し、3位につけた。SKオンは15.5GWhで3桁の高い成長率を見せ、シェアが4.8%上がり、サムスンSDIは12.0GWhで56.6%成長した。両社はそれぞれ4・5位を占めた。韓国国内3社のシェアは55.6%で、前年同期比0.4ポイント上昇した。
この調査機関が中国市場を除いた調査結果を発表した理由は、中国政府がバッテリー産業の自国保護主義を繰り広げているためだ。中国政府は、自国のバッテリーが適用された電気自動車にのみ補助金を支給する方式で、中国以外のバッテリーメーカーの進入を事実上遮断している。CATLは中国市場を含む調査結果(1~7月累積83.6GWh)では圧倒的な差で世界1位を守っている。
こうした状況で、最近中国のバッテリーメーカーの中国外市場における成長率が急上昇している。米中の軋轢が続き、北米市場への進出に困難をきたした中国企業が、欧州市場を積極的に攻略しているためだ。今回の調査で8位に上がった中国の欣旺達(サンオーダ)は、ルノーグループの「ダチア」ブランドの電気自動車の販売台数増加により、10位以内のメーカー中で最も高い成長率である347.5%を記録した。
SNEリサーチは「昨年に続き今年1~7月の中国以外の市場でLGESが首位を守ったが、CATLと欣旺達が急追しており、韓国系3社に対する圧迫が続いている」として「北米と欧州地域での脅威要素が潜んでいる中で、今回の米国のインフレ抑制法の施行が今後の韓国3社の戦略樹立にどのような影響を及ぼすかに注目しなければならない」と述べた。