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韓国、3月の輸出・輸入ともに月間最高額を記録…貿易収支は1.4億ドルの赤字

登録:2022-04-02 05:43 修正:2022-04-02 09:34
輸出634.8億ドル、輸入636.2億ドル 
1日平均輸出も27.6億ドルで過去最高 
「景気回復と主力産業の競争力向上」のため 
「輸出実績に悪材料がまだ反映されていない」との分析も 
主要15大品目のうち、自動車と船舶は減少傾向
釜山港の神仙台と戡蛮埠頭に輸出入コンテナが積まれている/聯合ニュース

 韓国で3月の輸出が昨年同月より18%ほど増え、過去最高を記録した。輸入額も28%増え、過去最高だった。石油をはじめとするエネルギー輸入が大幅に増え、貿易収支は2月の黒字から1カ月で再び赤字に転じた。

 産業通商資源部は1日、3月の輸出額(通関基準)が634億8千万ドルで、昨年同月より18.2%増加したと発表した。貿易統計を取り始めた1956年以来、月間基準で過去最高記録だ。従来の最高記録は昨年12月の607億ドルだった。操業日数を考慮した1日の平均輸出額も27億6千万ドルで、やはり過去最高値だ。

 ムン・スンウク産業部長官は「例年に比べて少ない操業日数にもかかわらず1カ月基準で輸出最高記録を更新し、日平均輸出も史上初めて27億ドルを突破した」とし、「ウクライナ事態や原材料価格の急騰、サプライチェーンの不安といったグローバルリスクが深まる流れの中で達成した成果」だと評価した。

 輸出は主要品目と地域で比較的バランスの取れた成長をみせたと、産業部は説明した。半導体(131億2千万ドル)と石油化学(54億2千万ドル)の輸出は過去最高値を達成した。無線通信(44.5%)、ディスプレイ(48.4%)、石油製品(90.1%)、鉄鋼(26.8%)など伝統的な主力産業の好調ぶりが輸出を主導した。バイオ(24.2%)をはじめ、新産業も急激な増加傾向を示している。主要15大品目のうち自動車(-9.7%)と船舶(-35.9%)の2項目は減少傾向が続いた。

 地域別では、中国(16.6%)、米国(19.9%)、ASEAN(44.4%)の3大市場への輸出がいずれも月間最高実績を更新し、中東(17.4%)や中南米(25.6%)などの新市場への輸出も二桁増加の勢いを維持した。

 輸入額は27.9%増えた636億2千万ドルに達した。エネルギー価格の急騰による中間財輸入の増加で、過去最高の輸入額を記録した。原油、ガス、石炭エネルギーの輸入額は昨年同月(77億2千万ドル)に比べて84億7千万ドル増えた161億9千万ドルを記録した。月間過去最高値で、3月の全体輸入額を押し上げた主な要因だった。

 貿易収支は昨年12月から2カ月連続の赤字だったが、今年2月には8億3千万ドルの黒字に転じた後、3月に再び赤字を記録した。

 ウクライナ事態や半導体需給難などさまざまな悪材料の中でも輸出好調が続いたことについて、韓国貿易協会のチョ・サンヒョン国際貿易通商研究院長は「米国や欧州地域がコロナ禍から回復し、日常に戻っており、インフレ(物価上昇)の懸念が出るほど全般的な景気回復基調が続いている」という点を背景に挙げた。ウクライナ事態により、しばらく不安定な状態が続いたが、世界的な景気回復の勢いを受け、韓国の主力製品である半導体を中心に、輸出増加の傾向が続いているという説明だ。チョ院長は「国内主力製品が過去とは違って景気循環サイクルに大きく影響されないほど競争力と回復の弾力性で強くなった側面もある」と付け加えた。

 企画財政部のキム・ヨンフン総合政策課長は「ウクライナ事態による影響は世界経済の鈍化につながるほどではなかった」と述べた。キム課長は「コロナ禍以降も半導体輸出の好調が続き、原油価格が上昇すれば輸出額が自動的に増える価格要因もあったとみられる」と述べた。

 一方、これとは異なる分析もある。輸出にネックとなっているさまざまな悪材料が、まだ業績に反映される前だという説明だ。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「(ウクライナ事態など)悪材料が3月までは反映されなかったようだ」とし、「時間が経つにつれて反映されるだろう」と述べた。チュ室長は「国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)などの主要機関が世界経済成長率見通しを下方修正しているのも、韓国の輸出景気にはマイナス要因」だと指摘した。

 韓国開発研究院(KDI)のチョン・ギュチョル経済展望室長は、「石油製品や鉄鋼などの価格が大幅に上昇し、輸出金額が上がった側面があり、経済が成長すれば(輸出実績の)過去最高記録が出る可能性はいくらでもある。あまり大きな意味を付与する必要はない」と述べた。

 ムン・スンウク長官は「ウクライナ事態の悪化など韓国の貿易とサプライチェーン全般に友好的とは言えない環境が作られており、徹底した貿易リスク管理が必要だ」とし、「迅速な貿易金融提供をはじめとする流動性の拡充や物流バウチャー対象の拡大を含む物流支援策、デジタル貿易支援の強化を通して、輸出企業の困難を積極的に解消していく」と述べた。

キム・ヨンベ先任記者、イ・ギョンミ記者(お問い合わせ)

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1037149.html韓国語原文入力:2022-04-01 14:16
訳H.J

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