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日本円の価値下落、3年4カ月ぶりに100円=980ウォン台

登録:2022-03-29 20:24 修正:2022-03-30 06:52
29日、ソウル外国為替市場で韓国ウォンの対ドル為替レートは、7.5ウォン下がった1219.8ウォンで取引を終えた=ソウル市明洞のハナ銀行本店ディーリングルーム/聯合ニュース

 日本円の価値が最近下落し、100円当りの韓国ウォンの為替レートが3年4カ月ぶりに980ウォン台に下がった。

 29日、ソウル外国為替市場では韓国ウォン-米ドル為替レートは7.5ウォン下がった1219.8ウォンで取引を終えた。ロシアとウクライナ間の交渉進展への期待で、リスク回避心理がやわらいだ影響だ。円-ドル為替レートはアジア市場で小幅に下がった123円台で動いた。これに伴い、日本円に対する韓国ウォン貨の為替レートは、100円当り8.66ウォン下がった988.13ウォンとなった。これは2018年12月5日(985.45ウォン)以来最も低い水準で、それだけ日本円に対する韓国ウォンの価値が上がったわけだ。両通貨は市場で直接取引されず、ドル貨基準で比較した(裁定)為替レートを計算し、相手通貨の価値を付ける。

 今年に入って韓国ウォンの価値は、対ドルで2.61%下がった。一方、日本円は対ドルで7.36%切り下げられて約6年ぶりに最低値を記録し、安全資産という体面を損なった。日本の中央銀行(BOJ)は、米国中央銀行の攻勢的な緊縮とは対照的に緩和的通貨政策を固守している。米国などの主要国はインフレーションを抑制するために非常事態になったが、日本はまだ物価の心配がないためだ。2月の消費者物価は前年比0.9%の上昇にとどまっており、食料品・エネルギーを除けば1.0%下落した。日本銀行はむしろ金利上昇を抑えるために国債を無制限に買い取ると発表した。これに伴い、米国と日本の国債(10年もの)の金利の差は2.21%まで広がり、円安を煽った。日本の高いエネルギー輸入依存度も円安の主な原因だ。原油価格と天然ガス価格の急騰で、日本の貿易収支は7カ月連続で赤字を出した。

 円安が韓国の輸出に及ぼす否定的影響は大きくないとの見通しが多い。2010年代初中盤には円-ドル為替レートが80円から120円台まで高騰し、韓国の輸出企業は価格競争力の低下で困難を経験した。だが、当時は円安と同時にウォン高傾向が同時進行したため、輸出への衝撃が大きかった。ハナ金融投資のチョン・ギュヨン研究員は、「今は原材料価格の急騰で日本企業の生産単価が急上昇し、利益が減る可能性が高い」と指摘した。

 ただし円安が長期化する場合、一部業種の被害は避けられないとの分析が出ている。新韓金融投資のキム・チャンヒ研究員は「円安が下半期まで続けば、日本との輸出競合度が高い鉄鋼・機械などの業種が被害を受けかねない」と予想した。

ハン・クァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1036711.html韓国語原文入力:2022-03-29 18:22
訳J.S

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