韓国で昨年上半期の貸金業の利用者が一昨年末に比べ11%減少した。日本の消費者金融の営業縮小やオンライン投資連携金融業の解禁などで、貸金業市場は縮小が続いている。
31日に金融監督院が発表した「2021年上半期貸金業実態調査の結果」によると、6月末現在の貸金業の貸付残高は14兆5141億ウォン(約1兆4千億円)で、昨年末より0.2%(222億ウォン)減少した。
韓国と日本の法定最高金利の格差が徐々に縮まってきたことで、日本系消費者金融が韓国での営業を縮小していることが主な要因となっている。三和貸付やジョイクレジットの貸付残高は、2019年の1兆9000億ウォン(約1830億円)から一昨年は9000億ウォン(約870億円)、昨年上半期は6000億ウォン(約580億円)へと減っている。
2010年時点では、韓国の法定最高金利は日本のそれより24ポイントも高かったが、昨年上半期には4ポイントへと縮まった。7月からは韓国の法定最高金利も年20%となり、日本と同率になった。
8月のオンライン投資連携金融業の解禁を控え、個人間の融資を仲介していた貸金業者が上半期にオンライン投資連携金融業へと登録を転換したことも、貸金業の貸付残高の減少に影響を及ぼした。
貸金業の利用者は6月末現在で123万人で、一昨年末より11.4%(15万9000人)減少した。担保融資の割合が増加したことで、1人当たりの貸付残高は1180万ウォン(約114万円)と、昨年末(1047万ウォン、約100万円)より増えた。
貸金業者の6月末の平均貸付金利は15.8%で、昨年末より0.5ポイント下落した。
金融監督院は「法定最高金利の引き下げ以降の7月から11月までの上位20の貸金業者の新規信用貸しを点検したところ、最高金利引き下げ前の1年間の新規信用貸しの水準と似ていた」と述べた。法定最高金利の引き下げの影響による貸金業の貸付縮小現象は、はっきりとは現れていないという趣旨だ。
また、「法定最高金利の引き下げが低信用者に対する信用供給に及ぼす影響を引き続き点検するとともに、政策庶民金融の供給拡大、貸金業制度の改善、中金利融資の拡大、違法私金融根絶の努力を強化する」と述べた。