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グラフィック=コ・ユンギョル//ハンギョレ新聞社

　サムスン電子が業界の見通しをはるかに上回る第3四半期（7～9月）の業績を発表した。営業利益は12兆ウォン（約1兆１千億円）を超え、2年ぶりに最大業績を記録した。LG電子も「ステイホーム族」を狙った生活家電の販売が大きく増え、第3四半期基準で過去最高の売上を記録した。

　サムスン電子は8日、今年第3四半期の暫定業績（連結基準）が売上高66兆ウォン（約6兆円）、営業利益12兆3千億ウォン（1兆1300億円）だと公示した。第2四半期に比べ、売上高は24.6%、営業利益は50.9%増加した。昨年同期より、売上げと営業利益がそれぞれ6.4%と58.1%増となった。特に四半期の営業利益が10兆ウォンを超えたのは、2018年第4四半期（10兆8千億ウォン）以降7四半期ぶりだ。

　業績の改善幅は、証券会社のアナリストらも予想しなかった水準だ。前日、金融情報会社FnGuideが集計した証券会社各社の平均予測値は、売上高63兆8065億ウォン（約5兆9千億円）、営業利益10兆3980億ウォン（約9兆6千億円）で、同日発表された暫定業績よりそれぞれ2～3兆ウォンほど低かった。そのため、証券市場では「アーニングサプライズ（驚くべき業績）」という評価が出た。

　証券業界では、低価格スマートフォンを中心にモバイル売上が増加し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によってマーケティング費用が大幅に減った影響と分析している。これまでサムスン電子の好業績の流れをリードしてきた半導体部門は、第3四半期に入り販売単価が下がって低迷していたが、低価格スマートフォンなどのモバイル部門の販売が大幅に伸び、全体的な売上げ増加を牽引したと見られている。COVID-19でマーケティング費用を減らしたことも、収益性の改善につながった。メリッツ証券のアナリストのキム・ソンウ氏は同日発表した報告書で、「ギャラクシーノート20などフラッグシップスマートフォンの売上比重が数年間意味ある成長を示していない。ギャラクシータブSとAの販売は予想を上回る970万台を記録し、業績改善の一助となった」と明らかにした。大信証券のアナリストのパク・ガンホ氏は「オンライン販売拡大および競争緩和でマーケティング費用が予想より減少し、追加的に利益率が改善した」と指摘した。

サムスン電子とLG電子の実績の推移（単位：ウォン、資料：金融監督院電子公示システム）。左がサムスン電子、右がLG電子。2019年第3四半期から2020年第3四半期（暫定値）までの売上高（上）と営業利益（下）//ハンギョレ新聞社

　しかし、第4四半期（10～12月）はやや伸び悩むとの見通しが示されている。通常、第4四半期がモバイル販売のオフシーズンであることがその理由として取り上げられている。NH投資証券のアナリストのト・ヒョヌ氏は「第4四半期の営業利益は11兆ウォンと予想している」とし「スマートフォン非需要期に入り、モバイル部門の業績が落ちるだろう」と予想した。

　いっぽう、LG電子も同日、第3四半期基準で過去最大の業績を発表した。売上と営業利益はそれぞれ16兆9196億ウォン（約1兆6千億円）と9590億ウォン（約880億円）で、1年前に比べて売上は7.8%、営業利益は22.7%増えた。これもまた、証券会社各社の平均業績予測値を上回っている。ハナ金融投資のアナリストのキム・ロクホ氏は6日に発表した報告書で、「COVID-19以降、家電とテレビの需要が堅調に回復し、オンラインなどのアンタクト販売の割合が拡大したことから、生活家電（H&A）やホームエンターテイメント（HE）事業部の収益性は、従来の見通しに比べて良好とみられる」と分析した。生活家電などCOVID-19の感染拡大によって恩恵を受けた部門が全般的な業績改善をけん引したという意味だ。

　この日、両社が良好な業績を示したにも関わらず、株式市場は落ち着いた反応を示した。同日の有価証券市場で、サムスン電子の株価は騰落を繰り返し、前日より200ウォン（0.33%）安の5万9700ウォン（約5500円）で取引を終えた。LG電子も比較的大幅の2800ウォン（2.91%）下落した。両社の株価は営業日基準で最近3日連続で上がっていた。