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「世界経済大封鎖時代…米国‐5.9%、ユーロ圏‐7.5%、中国1.2%」

登録:2020-04-15 06:36 修正:2020-04-15 15:45
IMF、今年の世界経済成長率を-3.0%と予想 
「新型コロナの大流行で次元の違う危機に 
供給の混乱と需要のショックが同時に 
ユーロ圏-7.5%、日本-5.2%の見通し 
韓国はOECD加盟国のうち下げ幅が最も小さく
IMFの2020年経済成長率展望//ハンギョレ新聞社

 国際通貨基金(IMF)が14日(韓国時間)、今年の世界経済成長率の見通しを3カ月で6.3ポイントも下方修正したのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機が通常の経済危機や金融危機とは次元の違うものと判断したためだ。

 IMFは、COVID-19の世界的大流行(パンデミック)が労働供給の減少や事業所の閉鎖による供給網の混乱、生産性の落ち込みなど供給側のショックや、防疫措置による需要側のショックを同時に招いており、約10年前の世界金融危機当時より、経済をさらに萎縮させると見通した。また、感染症による経済危機は、戦争や政治的危機のようにショックの持続期間や強さを計ることができず、経済シャットダウンを甘受してでも、ウイルスの拡散防止に先に集中しなければならないため、かつての経済危機の際に用いられてきた景気刺激策の正常な作動も困難な状況だと見ている。

韓国の経済成長率の推移//ハンギョレ新聞社

 IMFは経済「シャットダウン」によるこうした危機状況を「大恐慌(Great Depression)」にたとえ、「大封鎖(Great Lockdown)」と表現した。「1930年代の大恐慌以来、最悪の景気低迷に見舞われるだろう」という見通しも示した。ギータ・ゴピナートIMFチーフエコノミストは、「今年の世界経済は10年前の金融危機より深刻な『大封鎖』を経験し、深刻に萎縮するだろう」とし、「2021年に部分的な回復が予想されるが、その水準はCOVID-19発生前より低く、回復水準もかなり不透明だ」と述べた。

 国別の成長率展望値を見ると、先進国の下方修正幅がかなり大きかった。先進国グループは1月の1.6%から7.7ポイント下がった-6.1%、新興途上国グループは5.4ポイント下がった-1.0%と予測された。ユーロ圏(英国を除く)は-7.5%(8.8%ポイント下落)、米国と日本はそれぞれ-5.9%(7.9%ポイント下落)、-5.2%(5.9%ポイント下落)と予想された。世界経済のエンジンである中国の今年の成長率も、今年1月の予測値(6.0%)より4.8ポイント低い1.2%にとどまると予想されている。韓国の成長率も直前の予測値(2月、2.2%)より3.4%ポイント低い-1.2%と予想されたが、経済協力開発機構(OECD)に加盟した36カ国のうち最も高く、予測値の下方修正幅も最も小さい水準だ。

 IMFは、COVID-19パンデミックが予想より長く続くか、2021年に再発する可能性もあるとし、その場合、世界の経済成長率はさらに下がりかねないと見通した。今回の見通しでは、今年下半期にパンデミックが沈静化するなどの基本シナリオに基づき、今年と来年の世界経済成長率の見通しをそれぞれ-3.0%と5.8%と提示したが、防疫措置は予想より長くなり、来年COVID-19が再発した場合は、今年と来年の成長率はそれぞれ-6.0%と-2.2%まで下がる可能性もあるという。

 IMFは、危機克服のための政策も勧告した。まず、COVID-19の感染拡大を抑えるための保健支出の拡大を最優先課題に挙げた。また、被害を被った家計と企業を支援するため、大規模な選別的財政・通貨・金融措置を通じて、経済へのショックを緩和し、COVID-19終息後の早い景気回復に努めるべきだと助言した。借金の返済が困難な借入者に対しては、銀行が債務再調整を行うよう積極的に促し、必要に応じて外国為替市場への介入や期限付きの資本移動の管理措置も考慮すべきだとした。また、COVID-19の感染の防止と共に、ワクチン開発などのための国際協力が必要だと強調した。ギータ・ゴピナートIMFチーフエコノミストは「多くの国で取られる迅速かつ実質的な経済政策措置が、人々と企業を守るのに役立つだろう」と述べた。

イ・ジョンフン、イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/937083.html韓国語原文入力:2020-04-15 02:42
訳H.J

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